プロダクト開発 クリエイターの仕事
新しい商品の開発は、企業やお店にとって常に大きな課題です。特に現在のように新しい商品が次々と生まれる中で、消費者の印象に残る商品、さらには購入してきちんと使ってもらえる商品を生み出すのは至難の業。技術やデザインの新規性、ユーザビリティはもちろんのこと、最近ではリサイクルやエコも視野に入れて考えていく必要があります。こうした現状の中、本特集では新しい視点で開発されたプロダクトやサービスに着目。企業とクリエイターがパートナーになり、二人三脚で開発した商品だけではなく、クリエイターの提案によって生まれたプロトタイプがどのように活用され始めているのか。その2軸で、開発までのプロセスとクリエイティブを紐解きます。
新領域ビジネスをつくるクリエイティブディレクター
従来は「広告およびコミュニケーションのクリエイティブ全体を統括し、実現する人」として位置づけられてきたクリエイティブディレクター。近年はコミュニケーション領域の広がりと共に、その活動領域や手がけるクリエイティブの範疇が変わってきています。新規事業や商品の開発はもちろん、経営、インナー活性化、人事や総務にまつわることなど、これまで企業や社会の表には見えなかった部分で、いまクリエイティビティが必要とされています。今号には、こうした領域を切り拓いている8組のクリエイティブディレクターが登場。いまの時代に求められる「クリエイティブディレクション」とは、どういうものであるのか。その定義を聞きました。
時代の先を行く企業に学ぶ 世界のクリエイティブ
世界最大級の広告祭であるカンヌライオンズは、2018年に会期や部門などを大きく刷新。今年も新たに2部門が設けられるなど、広告界の動きに合わせて変化し続けている。エントリーされる作品は、いずれも大きな成果をあげたブランドキャンペーンや最先端の手法で制作されたクリエイティブなど。そこには、新たな切り口やアイデアを見ることができる。近年は社会課題が大きなトレンドになっているが、いまも変わらずカンヌライオンズは、広告界にとっての新しいケーススタディが溢れる場であることは間違いない。
その現場に行かずとも、受賞およびエントリー作品や審査員が何を語ったかを知ることは、これからの広告を考える上での大きなヒントになるはずだ。本特集では今年のカンヌライオンズの受賞作品を振り返るともに、参加者や審査員による作品・セミナーの分析と解説を紹介する。
「ポスト2020」のアートディレクション
2000年代前半、広告界では佐藤可士和さんを筆頭にアートディレクターの仕事が広く世の中から注目されるようになりました。新聞広告やポスターを作ることのみならず、OOHでのダイナミックな展開やグッズ・商品開発、さらにはブランドや企業のCIなどまでを手がけ、アートディレクションの可能性とアートディレクターの関わる領域が大きく広がっていきました。
さて、そこから20年近くを経た現在、広告のメディアは大きく変わっています。ポスターからサイネージへ、そしてWeb、さらにはスマートフォンで見るSNSでの広告や動画、プロダクトなど、アートディレクションの表現領域がさらなる広がりを見せています。向き合わなくてはいけない領域やメディアが増える中で、今アートディレクターたちはどんな考えで、自身のアートディレクションを確立しようとしているのか。本特集では、30~40代のアートディレクター9人に、今、そしてこれからの「アートディレクション」について聞きました。
新時代「令和」に生きる ブランドの新しいかたち
時代や社会の流れの中で、企業やブランドがそのあり方を問われている昨今。さまざまな背景や事情からリブランディングし、新たなかたちでスタートを切る企業やブランドが出てきている。これまで培ってきたものを生かして新たなかたちを築き上げるブランドがある一方で、これまで培ってきたものを潔く捨てて、ゼロに近い状態から立ち上げているブランドもある。一つとして同じやり方ではできないのが、リブランディングだ。
本特集では、さまざまな背景から、リブランディグに取り組んだ6つの事例を紹介。それぞれの考え方とクリエイティブの進め方を見ていきたい。
長く愛されるキャラクターの作り方
かつて企業にとってキャラクターは、主にパッケージや販促プロモーションにおいて活用され、それらは「動かず」「話さず」アイキャッチとして大きな役割を果たしていました。近年は企業のSNSの活用と共に、キャラクターは従来の役割を超えて企業のメッセンジャーとなり、企業と生活者をつなぐ存在としても大きくなってきています。企業を取り巻く環境やメディアが変わる中で、広告などのコミュニケーションにおいて、今キャラクターはどのような役割を果たしているのでしょうか。
今号では、人気キャラクターたちがどのようなプロセスで生まれ、なぜ長きにわたり愛されているのかを探ると同時に、従来のキャラクターとは異なる活用方法や展開、そしてデジタルの進化と共に生まれた新たなキャラクターまでを取材。見た目も人格も運用方法も多様なキャラクターたちの生みの親に話を聞きました。
過去に学び、未来に生かす クリエイティブ温故知新
「ブレーン」では昨年、700号を迎えたことを機に、現在のクリエイティブに通じる礎となった日本の広告(CMとグラフィック)を、第一線で活躍するクリエイターの皆さんと振り返る機会を設けました。今のようなデジタルの技術もSNSもない時代に、多くの人々の心を捉え、また動かしてきた広告。そこにはどのようなアイデアとメッセージがあったのか。これらの広告を改めてきちんと見ること。そして、その本質を学ぶこと。それはメディアや手法が多様になった現在であっても、これからのクリエイティブを考える上での多くのヒントになるのではないかと私たちは考えました。本特集では、6組のクリエイターたちがそれぞれの視点で時代を代表するクリエイティブ、自身が影響を受けたクリエイティブをその時代背景と共に紹介します。
コンセプトを体験する新しい空間
デジタル上に大量の情報が流通し、捉えきれなくなっている今だからこそ、リアルな場での体験が重要性を高めている。そうしたオフラインのコミュニケーションにおいて、企業やブランドはどのように発信したいメッセージをコンセプトにまとめ、提供したい体験を空間に落とし込んでいるのか。本特集では、従来の店舗や施設での体験を刷新する新業態から、新しい切り口でスポーツの魅力が体験できるイベントまで、具体的な事例を通じていま求められる空間を紐解いていく。
話題のクリエイティブ、企画書・プレゼン大公開
あらゆる仕事において求められる、企画書やプレゼンテーション。広告業界でも、そのスキルの重要性は言わずもがなです。その正攻法を知ろうにも、他の人がどのように考え、作っているのか、なかなか知る機会はありません。そこで今月のブレーンでは、第一線で活躍する広告クリエイターの企画書・プレゼン術を大公開。グラフィックからムービー、イベント、デジタルプロモーションと話題になったクリエイティブが実現されるまでのプロセスを紹介します。
世界を舞台に活躍するクリエイターの新しい働き方
ビジネスにおいても、コミュニケーションにおいても、日本と世界の境界線はなくなりつつある。クリエイティブの仕事にあっても、日本と世界を自由に行き来しながら仕事をすることや、日本にいながら世界のさまざまなクライアントと仕事をする働き方は、もう遠い未来の話ではなくなっている。日本の中だけに閉じこもらず、世界のクライアントと積極的に仕事をしたいと思った時、そこには一体どんな選択肢やスタイルがあるのか。本特集では、先んじてこうした新しい働き方を考え、実践しているクリエイターたちに取材。さまざまな「海外の仕事」のあり方を紹介していく。
クリエイティブ経営のキーパーソンたち
「デザイン経営」という言葉に象徴されるように、企業にとってクリエイティブの重要性がかつてないほど高まっている。世の中を見渡しても、いま注目され、成功している企業は、商品開発、コミュニケーション、新規事業、あるいはユニークな社内制度まで、全方位的にクリエイティビティを発揮し、新しいチャレンジを重ねている。こうした企業の中には、必ず自らアイデアを考え、常識や前例にとらわれない判断をし、時には外部パートナーの力をうまく借りながら実現していくキーパーソンがいる。
この特集では、アイデアとクリエイティブの力を信じて事業に生かす、各社のキーパーソンを訪ねた。インタビューの最後に皆さんからいただいた「クリエイターに期待する提案」にも、ぜひご注目ください。広告を超えて広がる言葉の現在形
企業コミュニケーションの中で「言葉の力」が求められる場面が広がっている。例えば、企業スローガンや事業コンセプト開発、スタートアップのミッション開発など、組織やチームメンバーの意識を統一し指針となるような“インナー”向けの言葉。一方で、メディアで引用され、SNSで拡散する、世の中で話題化させる際の“見出し”となる言葉もまた求められている。それに伴い、コピーライターの活躍する場面は広がり、同時に求められるスキルも変化しているようだ。本特集では、現在の企業コミュニケーションの中で求められる新しい言葉のあり方とそのクリエイティブを取材。広告と言葉の最前線に迫る。
カンヌライオンズから分析 世界の広告 手法と切り口
世界最大級の広告賞であるカンヌライオンズでは、毎年、最先端の手法を使った広告や、社会課題に取り組むための新たな切り口、大きな成果を上げたコミュニケーションなどが表彰され、最新のケーススタディとして共有される。セミナーではマーケティングの潮流や広告の課題が語られ、世界の広告界が向かう方向性を大局的に把握する機会となる。日本では「世界と日本では環境が違う」と考える人も少なくないが、カンヌが事例や企画の宝庫であることは間違いない。今年の特集では、カンヌへの参加経験が豊富なクリエイターの協力を得て、受賞作を手法・切り口別に分析。仕事に生かすためのポイントを話してもらった。
地元の魅力は自分たちの手でつくる クリエイターと地域の新しい関係
自分たちの住む街をもっと面白い場所、魅力ある場所にしていきたい。ここで生活し、働く人たちを元気にし、地域の企業を盛り上げていきたい。そんな思いで、地元に新たなイベントや場を立ち上げるクリエイターの活動が全国各地に生まれている。地元のクリエイターのコミュニティから生まれた自主企画であったり、自治体や地元の企業のコラボレーションであったり。いずれも、依頼されて始まるのではなく、自分たちの街をよりよい場所にしていくための自主的な活動として始まり、地域のステークホルダーを巻き込んで成長しているのが特徴だ。この特集では、こうした全国各地のプロジェクトの事例を通じて、地域とクリエイターの新しい関係を描き出す。
デザイン経営時代 進化するインハウスクリエイター
企業のインハウスクリエイターやクリエイティブ専門部署に変化が起きている。会社組織の中で位置づけが変わったり、新たなインハウス組織を立ち上げる、独立したスタジオ(オフィス)を新設するなど、同時多発的な動きが見られる。外部のクリエイターと積極的に協業し、交流会を開くなど、よりオープンな気質を持っているのも、こうした新しいインハウス組織の特徴だ。なぜ今、こうした変化が起きているのか。各社への取材を通じて、インハウスクリエイターの役割の変化と、働き方の最前線を追った。
「食」の老舗企業の挑戦 ブランド開発とクリエイティブ
創業100年、200年と続く老舗企業が多数存在する日本は、世界一の「老舗大国」と言われる。その中で、近年、日本酒や日本茶メーカー、和菓子屋、乾物店など、「食」の老舗企業の新たな動きが目立つ。社長の代替わりなどを機に、新世代の経営者とクリエイターがタッグを組み、企業のリブランディングや新ブランドの開発に取り組むようになっている。本特集では、老舗企業がクリエイターと進めるこうしたブランド開発プロジェクトを紹介。老舗ブランドの課題をどう捉え、今の時代にふさわしいクリエイティブを導いていったのか、事例を通じてひもとく。