
Web3.0時代のマーケティング
国内で「Web3.0」という言葉が聞かれるようになって久しいですが、Web1.0から2.0。さらに3.0へと進化を遂げていく背後には、どのようなテクノロジーの登場、そしてその進化を加速させた生活者の価値観があったのでしょうか。人々の価値観や行動が変化する際、当然ながら企業と生活者の関係性も変わっていきます。特集ではWeb3.0時代のマーケティングをテーマに、生活者が期待するこれからの企業との関係性、さらにブロックチェーンやNFT、メタバースといったテクノロジーを企業がどうマーケティングに活用していけるのか、事例を踏まえて紹介していきます。

ファンに共感される企業の振る舞い「推し活」とマーケティング
モノには執着しないと言われる若年層でも、「推し」にかかわる「コト」の消費には積極的と言われます。ファン心理は、具体的な消費行動にもつながりますが、無償の愛とも言える、その熱量は社会を動かす大きなパワーともなりえます。表面的な企業コラボにとどまらず、この「熱量」をもっと"マーケティング的な行動変容"に生かす方法があれば、成熟した日本社会の次なる成長のヒントも見出せるのではないでしょうか。ファンによる無償の愛、定量化しづらい、その価値を日本ならではの文化の中で語ると同時に、企業マーケティングへの活用の可能性を考えます。

「ワクワク」する買い物体験を取り戻す!
買い物では安さはもちろん、要する時間も時短で手軽に済ませたいと考える消費者が増えているようです。またコロナ禍で、従来リアル店舗で商品を購入していた生活者もECでの買い物に慣れ、その手軽さから、これまで以上に買い物に時間を費やしたくないと考える人が増えているのではないでしょうか。買い物を「面倒だから、少しでも時間をかけたくない行為」から、「選ぶこと・買うこと自体が楽しくなる」かつてのようなワクワクする体験に変えるには、どうしたらよいのでしょうか。顧客接点の最前線の取り組みから考察します。

2023年は、こう動く。―価値観・消費行動・メディア環境予測―
いよいよ2023年が始まります。世界の動きも、そして私たちの生活も混とんとした状況の中での新しい年の幕開けです。VUCAの時代と言われる昨今、社会環境もそして生活者の気持ちも日々揺れ動いている今、企業のマーケティング活動は何を基軸に2023年の歩みを進めていけばよいのでしょうか。生活者の動向、メディア環境、そして最前線で顧客と相対するマーケティング実務家の皆さんの戦略構想をもとに、2023年のマーケティングの潮流を読み解きます。

「共感」ブランド戦略
モノ・サービスの機能性の違いだけでは、差異が打ち出しづらいコモディティ化した市場環境においては、モノの背後にある企業の姿勢や考えに対する共感が消費者の行動を喚起するとも言われています。それでは、共感とはどのように醸成されるのでしょうか?またその企業やブランド姿勢に対する共感は実際に購買という経済活動にどこまでつながっているのでしょうか?実務の世界におけるコミュニケーション事例の他、人の共感が生まれるメカニズムにも迫りながら、マーケティングにおける共感の捉え方を考えます。

「嫌われない広告」の形とは?アドエクスペリエンスを考える
デジタル広告を中心に、広告に対して「怪しい」「鬱陶しい」といったネガティブな意見を持つ生活者が増えている現在。問題のある広告はごく一部であっても、「広告」という存在そのものに対してマイナスのイメージを持たれてしまうことになれば、すべての広告主に関わる課題となります。ユーザーが求めている情報、能動的に「見たい」と感じる広告とはどのようなものなのでしょうか。本特集では、この課題を広告業界全体のものと捉え、多様な立場の実務家や有識者にユーザーにとっての最適な「アドエクスペリエンス」という観点から、広告の在り方を考えます。

顧客の多様化とターゲティング
一人ひとりのメディア接触行動や価値観が多様化していると言われて久しい現代。自社のプロダクト・サービスに価値を感じてくれる対象顧客の設定、ターゲティング戦略がマーケティング活動において、ますます重要になっています。
さらには同じ商品・サービスであっても、個々の異なる価値観を持ったコミュニティ別に、メッセージを出し分ける緻密なマーケティング・コミュニケーション戦術も必要とされています。緻密なコミュニケーション施策の実施に際して、経済合理性の側面から、どの粒度までターゲットを絞り込めばよいのか。特に広告・クリエイティブ施策は工数、コストの問題もあり、そのさじ加減に頭を悩ませている企業も多いのではないでしょうか。
本特集では、このような課題のアプローチ手段を、新たな顧客、利用シーンを開拓することで解決したターゲティング戦略の成功ケースから考察していきます。
「CMタレント」と広告効果
テレビCMを始め、タレント起用の広告が多いと言われてきた、日本の広告クリエイティブ。すでにファンのいる方を起用するからこそ、注目や信頼、好感の醸成を後押ししてくれる効果はあるでしょう。しかし広告のキャスティングにおける戦略性といったものは、十分には研究がなされてこなかったのではないかと考え、本特集を企画しました。キャスティングの妙で奏功している企業の事例の他、タレントが広告の効果に与える影響について各種調査データをもとに考察します。

デジタルだけでブランドはつくれるか?
ネット広告を使い、オンラインチャネルでの販売で成長を遂げる新興ブランド。BtoB、BtoC問わず、こうしたブランドはある一定の規模まで成長した際、テレビCMやリアル店舗など、デジタル以外の手段を採用するケースが多くあります。成長のステージにおいて、『デジタルだけ』では限界があるのでしょうか。一方で国民的な認知を持つ大手企業は、逆に顧客との接点を従来のオフラインチャネルからデジタルへとシフトさせています。はたして、ダイレクトでパーソナルなコミュニケーションが強みのデジタルチャネルで、これまで培ってきたようなブランディングは実現可能なのでしょうか。ライフサイクルのステージ別に異なる論点が見えてくる「デジタルだけで、ブランドはつくれるか?」という課題について、有識者の皆さんと考えます。

『瞬間消費』時代の「広告」と「販促」
マーケティング・コミュニケーション活動においては、長らく認知獲得を目的とする「広告」と購買の最後の一押しをする「販売促進」の役割分担がなされてきました。しかしスマホとSNSの浸透により、商品を「知る」タイミングで瞬間的に「購入」が発生するケースも生まれています。それでは認知から購買までがシームレスに起きる、『瞬間』的な消費行動が浸透している時代、「広告」と「販促」はどのような役割分担にあるべきなのでしょうか。「広告」と「販促」あるいは「宣伝部」と「販促部」を分けて考える必然性はあるのでしょうか。『瞬間』的に消費が起きる時代、さらには小売店を介して商品を販売するBtoBtoCモデルのメーカーであっても、顧客とダイレクトにつながることができる現代。改めて「広告」と「販促」それぞれの役割の定義を考えます。

国内主要企業38社 2022年度の戦略と方針
不確実性の高まった社会環境のなかで、生活者の心は揺れ動き、マーケティング・コミュニケーション活動の難しさが増していました。しかし、そんな生活者の気持ちに企業の最前線で接してきた広告・マーケティング部門のトップの皆さんは、これまでの経験を生かし、コロナ禍の先を見据えた新しいコミュニケーションの在り方をすでに見つけ始めています。生活者のブランドに対する期待も変わりつつあると言われるなか、いま日本を代表する企業でマーケティング・コミュニケーション活動を担うトップの方たちは、どのような戦略を描いているのでしょうか。38社の戦略から、成熟化した日本市場におけるブランドと生活者の関係性を考察します。

これからの「ブランド成長の定義」
いまだ収束しないコロナ禍、さらに緊迫化する世界情勢―。カーボンニュートラルをはじめとする持続可能な世界に向け企業の取り組みが加速しはじめていたにもかかわらず、現実はまだかつての拡大第一の企業活動から抜け出せずにいるようにも見えます。売上拡大につながる価値を生み出すのは、マーケティング部門の役割。だからこそ、企業の成長を考える際、マーケターの役割は大きいものです。しかし、今の世界において常に「昨年以上の売上拡大」による、事業貢献が現実的と言えるのでしょうか。大量生産、大量消費社会とは異なる価値観も必要と言われる時代の中で、改めて「企業の成長」という言葉の定義を見直す必要があるのではないか。この仮説のもと本特集では、4つのテーマ別にアカデミズムと実務の視点から"これからの成長"を考えました。

メタバースとマーケティング
デジタル化の進展により、企業と消費者の間の接点は拡大を続けてきました。では昨今、世界的に注目される「メタバース」は、従来のオンライン上の顧客接点のひとつとして捉えるべきものなのでしょうか。それとも、これまでとは違う価値や活用法が見出せるものなのでしょうか。もうひとつの世界において、企業は生活者にどのような価値を提供し、コミュニケーション接点としてだけでなく、新たなビジネスをも創造していけるのでしょうか。国内の最先端の事例を通じて、考察していきます。

パーパスとブランド体験
デジタル化の進展により企業と生活者の接点は格段に増えました。さらに多様化した接点における体験の総和、ブランド価値に影響する時代となっています。この環境下で選ばれるブランドになるための「体験」づくりを担うマーケティングが関わる領域は、決して"モノを売る"ことだけにとどまりません。昨今は「パーパス」を設定する企業が増えていますが、全社員が向かうべきベクトルを指し示し、さらにあらゆる部門の社員がそれを実践できるための働きかけまで行わなければ、最終的なブランド体験の質を高めることは難しくなっています。マーケターは、この経営課題とも言えるテーマに対して、どのようにその力を発揮することができるのでしょうか。

「安さ」追求はどこまで必要? 今こそ、見直す「価格戦略」
マーケティングの4Pのひとつである「価格」ですが、短期的にはコロナ禍での節約志向、長期的に見ても日本人の平均所得の低下などが影響を与える、消費者側の「購買力」という観点から見た際、現在の日本市場だからこその新たな戦略が必要とされていると思います。単に企業努力で「低価格」の実現を目指すだけでない、「適正な価格」とはどう考えればいいのか。専門家、実務家の皆さんと考えます。

2022年の消費者インサイト予測
少し明るい兆しが見える中で迎えた2022年。行動の自由が大きく制限された2021年は、一人ひとりが自分の生活にとって真に必要なものは何なのか。惰性ではなく、意志をもった行動のなかで、それに気づく機会にもなりました。コロナ禍の真っただ中にある時から、Afterコロナの生活者についての考察は数多く出ていましたが、国内においては日常が戻ってくる兆しも見えてきました。それではコロナ禍において私たちの意識や行動に起きた変化は、再びかつての日常が戻ってきたときに、消えていくものなのでしょうか。それとも、不可逆の変化としてこれからも定着していくものなのでしょうか。特集では最前線で活躍するマーケターの実務家の皆さんと共に、新しい日常における2022年の生活者インサイトの予測をもとに、どのような市場が創造しうる可能性があるのかを考察。2022年の生活者インサイトと新市場をキーワードとともに解説します。