
アンケートで読み解く広報計画2026
日進月歩で進化する生成AIや、「経営機能としての広報」という考え方の浸透など、近年、広報業務を取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。社内コミュニケーションの手段や対象は多様化し、効果測定の重要性も高まるなど、広報に求められる役割は年々複雑さを増しています。こうした中で、本誌では毎年、読者アンケートを通じて広報の現場の実態を探ってきました。本特集は、ランキングから他社の注力業務を知るだけでなく、「自社が抱えている悩みや課題は、他社ではどう捉えられているのか」といった、広報担当者同士の“横のつながり” を感じていただくことも目的としています。今回は例年の調査項目に加え、生成AIの活用状況や、統合報告書・人的資本に関する取り組みについても調査しました。他社の動向や考え方をヒントにしながら、自社にとって何を優先すべきかを整理し、2026年の広報計画を描くための参考にしていただければ幸いです。
危機を乗り越える広報対応
2025年は、サイバー攻撃や学校現場でのトラブル、転売をめぐる混乱、生成AIによる誤情報など、危機の種類だけでなく広がり方も複雑さを増した一年でした。問題そのものよりも、「状況をどう整理し、どのように向き合おうとしているのか」が可視化され、その姿勢が企業評価に直結する場面が増えています。こうした環境下で、危機を乗り越えるためには、発生した出来事の背景や影響範囲を的確に捉え、取引先・顧客・生活者といった多様なステークホルダーの視点を踏まえて対応の筋道を示すことが欠かせません。他社で起きた問題であっても、自社の方針や価値観が問われるケースが増えるなど、広報の判断領域はこれまで以上に広がっています。本特集では、2025年の事例に関する調査や専門家の寄稿をもとに、組織が混乱を最小限に抑え、信頼低下やブランド棄損を防ぐための広報対応を整理します。危機に直面した際、何を基準に判断し、どのように説明するのか。「乗り越えるための広報」の視点を、多角的に探ります。
広報と経営をつなぐ効果測定
企業を取り巻く環境が急速に変化する中で、広報に求められる役割も変わりつつあります。企業が信頼を得て持続的に成長していくためには、「自社が何を目指し、どんな未来を描こうとしているのか」という経営の方向性を社内外に伝える力が欠かせません。そのため、広報は情報発信にとどまらず、経営の意図を共有し、共感を生み出す「翻訳者」としての役割を担い始めています。さらに近年は、社会の認識や行動をどう変えるかという点も、経営的な広報機能の中核となっています。効果測定においても、露出の「量」だけではなく、「いかに信頼やレピュテーション、ブランド価値を高めたか」といった露出の「質」に重きを置くケースも見られるようになりました。本特集では、目標設定と効果測定のあり方について、アンケートや事例、インタビューから読み解きます。
企業価値を伝えるブランド体験設計
Z世代・α世代を中心にSNSが情報収集のメインツールとなった現代ですが、SNSを通じて自社のことを知ってもらえても、それだけですべてが伝わっているとは限りません。だからこそ、実際に見て・触れて・体験するリアルな体験を届ける場づくりが大切になってきています。商品やサービスだけでなく、企業の思いやビジョン、社会的な存在意義を体感してもらう。こうしたブランド体験を通じて、将来の顧客・社員・協業先といった多様なステークホルダーとの信頼関係の土台を築いていく。それは、企業価値の持続的な浸透と対話を担う広報の領域です。本特集では、企業がどのようにブランド体験を設計し、広報活動として社会との対話につなげているのかを探ります。ミュージアムやイベントなど、生活者と企業が出会う「リアルな場」から始まるブランドの伝え方を、最新事例で紐解きます。
採用広報 進化する戦略
企業と人材の最初の接点は、より慎重に設計されるようになっています。売り手市場が続くなかで、「企業の存在を知らなかった」「なんとなくの理解しかなかった」といった理由で、候補者との関係が築けない、あるいはミスマッチが生じてしまうケースもあります。2024年10月号では「職場としての魅力をいかに発信するか」をテーマに、企業の内部を伝える採用広報の工夫を取り上げました。今回の特集では「まず知ってもらうこと」「もっと理解してもらうこと」に焦点を当て、出会いの質を高めるための取り組みを紹介します。「知られていない」という課題を解決するために新たなツールを使ったり、より深く理解してもらうために事業内容やカルチャーをオウンドメディアやSNSで伝えたりするなど、各社は自社の状況に応じて手法を使い分けているようです。採用活動における、企業と候補者のより良い関係づく
SNSがつなぐ企業とファン
企業とファンSNSが人々の情報収集や意思決定に大きな影響を与える現代。企業は今、どのようにSNSを活用し、生活者との信頼関係を築いていくべきなのでしょうか。共感や対話を通じて関係性を深め、やがてリアルな行動へとつなげていく。SNSは“つながる” ツールから、“価値をともにつくる” 場へと進化を遂げています。本特集では、企業がどのように生活者の共感を育み、他のアカウントや実空間とも連動しながらファンを広げているのか、戦略設計や施策の工夫、コラボレーションの実例を通じて紐解きます。
社内コミュニケーション 従業員の主体性を引き出し組織の力を高める
組織で働く一人ひとりが力を発揮できる環境をどう整えるか──。多様化・流動化する職場において、社内コミュニケーションは組織力を高める鍵となっています。本特集では、企業のビジョンや大切にしたい組織文化への共感を生む施策や、従業員同士のつながりを深める工夫など、実践的な取り組みを紹介します。社内報や社内集会といった定番の手法から、オフィス空間やAIの活用まで、幅広い事例を通じて、いま求められているコミュニケーションのかたちを探ります。

オウンドメディア&コーポレートサイトリニューアル 徹底活用
企業が伝えたいメッセージを的確に届けることができる「オウンドメディア」は、今や単なる情報発信の場を超え、戦略的に課題を解決するための重要な手段へと進化しています。本特集では、認知拡大や採用支援、社内の活性化など、さまざまな目的に応じて継続的にコンテンツをウェブ上で発信している企業のオウンドメディア事例を紹介します。加えて、企業の信頼構築の基盤となるコーポレートサイトのリニューアルにも注目し、サイト全体の設計やコンテンツの拡充にどのように取り組んでいけばいいのかを掘り下げていきます。

取材が集まる 広報のアプローチ
SNSやプレスリリースサイトなどの活用により、企業は自ら情報を発信しやすくなりました。一方で、メディアが第三者として客観的に報道する情報には、自社からの発信では得られない価値があります。広報活動においては、情報をどのような経路で届けていくかを設計しながら、世の中の動きを取材しているメディアに対し、より能動的にアプローチすることが求められています。本特集ではこれからのメディアとの向き合い方、リレーション構築のヒントをお届けします。

進化する広報のこれから
2025年4月、おかげさまで『広報会議』は創刊20周年を迎えました。この20年で、広報の手法や領域は大きく進化しています。ソーシャルメディアの浸透、SDGsへの関心の高まり、コロナ禍対応など、時代に応じて変化する要素がある一方で、対話を通じて信頼関係を構築していく広報の本質は変わりません。本特集では、広報の実務家や専門家が、その極意や心得を語っています。広報とは何かを改めて問い直し、社会や組織に求められる広報のあり方を考えるヒントとしてください。

新インターナル・ブランディング パーパスを軸にした事業創造、組織文化の醸成
社会における企業の存在意義や、重視する価値観について従業員が理解、共感し、自発的なアクションを起こしていく、さらには事業創造につなげていく──。こうした動きを活発化していくには、コミュニケーション領域を担う広報部門の役割が欠かせません。「インターナルブランディング」の進化を振り返りながら、全社を巻き込み取り組んでいる各社の事例についてレポートします。
広報の企画・発想
広報活動において、話題を生み出し、共感を集めていくには、創造的な思考力が欠かせません。本特集では、生活者の声に耳を傾け、社会の変化や関心事を敏感に察知しながら、自社との接点を見つけ出し、伝わりやすいストーリーを構築していくためのヒントをお届けします。実際に話題を呼んだ広報活動のケーススタディを通して、どのようにしてステークホルダーの心を動かし、メッセージを形にしていったのかをレポートします。

2025年検討すべき広報テーマ・施策・体制は? 広報計画2025
広報活動が多様化する中で、目的に応じた手段を選び取る力が求められています。広報会議では毎年、広報関連部門の担当者に広報の重点施策や成果の出た施策、体制づくりや課題などをアンケートを通してうかがうことで、新たな年を迎えるにあたって広報計画を練る上でのヒントとしていただけたらと本特集を実施しています。多くの広報の方が取り組んでいるメディアリレーションをはじめ、SNSなどのデジタル媒体を活用した広報コミュニケーションのありかたや危機管理広報など、あらためて検討する機会にしてください。

危機管理広報 失われた信頼を取り戻す
どんな企業でも不祥事や災上は起こり得ます。危機が発生した際に、イメージダウンを最小限に抑えるためには、どのようなコミュニケーションが求められているのでしょうか。本特集では、2024年に起きた不祥事の事例を分析、教訓とし危機を乗り越えるための広報対応とリスク対策について考えていきます。

BtoB企業に学ぶ広報チャンス
事業が複雑で伝わりにくい。そんな課題を持つBtoB企業であっても、広報チャンスをつかみとり、意欲的にコミュニケーションを行うことで、企業の認知度を高め、人材の獲得などにつなげているケースがあります。事業に対して注目が高まるような広報の切り口を、どのようにして生み出しているのでしょうか。また、企業で働くことに対して誇りを持てるような企業ブランディングをいかに実践しているのでしょうか。

サステナビリティの情報発信
企業のサステナビリティ情報の開示に関心が高まっています。その一方で、投資家などを対象にした経営情報を、そのまま生活者や従業員へのコミュニケーションに活用するのは難しく、情報の受け手にとって伝わりやすい形に変換していくことが問われています。自社らしい取り組みを知ってもらいファンになってもらうアプローチや、サステナビリティの実現に向け従業員が行動に移していくための広報活動など、企業のサステナビリティの取り組みを推進するためのコミュニケーションについて考えていきます。