面白さの本質
“普段何気なく見ていて、ぷっと吹き出してしまう。
オチがわかっていても、何度でも最後まで見てしまう。
どのようにすれば、こんな面白いCMができるのか?“
そう考えた時、阿部氏の理論は貴重だ。面白いCMのキーワードは「記憶の弦を鳴らす」こと。つまり、誰もが思っていたり、感じたり、覚えたりしている事柄を、他の人とは違う、今までなかったスタイルで表現して、視聴者の記憶の弦を鳴らすこと。「お笑い芸人は自分の持ち時間が少ないため、人の記憶を利用して笑わせますよね。CMも原理は同じ。見た人が『うんうん』と頷くモードになるCMが、面白く、強く、記憶に残るCMということなんです」。
では、今までなかったスタイルとは何だろうか。阿部氏はこのスタイルを探るために、自身のブログで海外CMを研究し、33の方法を発見した。たとえば、「意外な利用方法」、「大問題化する」、「文字化する」、など。こうした手法を新しいスタイルとして取り入れると同時に、記憶の弦を鳴らすことで、ヒットCMプランナーになれる可能性は高まると言う。
CMプランナーの仕事の醍醐味は、「妄想を人のお金で現実化できる」、「世の中にウケる快感」、「著名人に会える・話せる」、「朝遅くても怒られない」、「プレゼンの日以外はスーツを着なくても良い」と、数多くあるが、国内外の広告賞を受賞した阿部氏ならではの意見もある。「広告賞を受賞すると、海外に招待されることもあるし、褒められるのは単純に嬉しい」。その一方で、つらいこともある。「そう簡単にクライアントがOKしてくれるものでもなく、企画が生まれない状態も、半端じゃないストレスになる」。
とはいえ、「面白くなきゃ、人生じゃない」といい切る阿部氏の姿に、会場の学生は憧れを強めたようだ。
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