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「CMプランナーの仕事」
阿部 光史氏(電通 5CD局 CMプランナー)
開催日:2006年6月22日(木)

クリエイティブ マーケティング 営業 その他

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2006年6月22日、東京・青山こどもの城セミナールームにてSSCセミナーが行われ ました。講師は、「家庭教師のトライ」のCM「ア・ガール」などを手がけたCMプランナー、阿部光史氏。電通関西支社からビーコン・コミュニケーションズへ出向、その後 電通本社に戻るという多彩な経歴をお持ちです。阿部氏からは、CMに対する哲学と手法 とを、まるでセミナー自体が長編のCMのような、エンタテイメントムードに溢れた調子でご講演いただきました。
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面白くなくちゃCMじゃない!
 「CMの視聴は有料です。」という衝撃的な一言からセミナーは始まった。講師の阿部氏によると、脳はゲシュタルト(全体性)を求めるという性質を持っており、欠けてい る部分があると、そこを埋めたくなるのだとか。「『ものすごくいい話をします』と言 われた直後に『やっぱ内緒!』なんていわれると、その先を知りたくなるでしょ う?」。そのため、CMが始まると最後まで見てしまうのが人間だ。そんなCMの作り手と して、阿部氏がこだわっているのが「視聴者はCMに対して、15秒や30秒という貴重な 『時間』を支払っている」という感覚。「時間を払った分、面白い事は起きているのだ ろうか?」。ここが、1秒で全体を見渡せるプリント広告とは桁違いに重い責任なのだ という。そこを突破するために必要なのが、「面白さの力」なのだ。
CMプランナーの仕事
 阿部氏が出向していた外資系のビーコン・コミュニケーションズには「CMプランナー」という職種はなかった。日本特有のこのポジションについて、「あえていうならば、CMプランナーには『時間をデザインする技術』が必要。時間を操ることで面白さが 生まれる」という。そんなCMプランナーの仕事は、企画と制作管理がメイン。この一連 の流れの中で、最も重要なのが、クライアントオリエンテーションを受けた直後の戦略決定の部分だ。ここを間違うとCMがヒットしてもモノが売れないのだ。クライアントプ レゼンまでのおよそ1ヶ月の間、何度も戦略を練り直して、具体的広告企画へと落とし込 んでいく。阿部氏は、このクライアントプレゼンを「戦いの場であり、ショーの場でも ある」と表現する。競合プレゼンで勝利した場合、社外のCM制作プロダクション(ディレクター、カメラマン、ライトマンなど総勢100名ほどが携わる)と制作を進める。「撮影現場はお祭りみたいですよ。」撮影当日は予想もつかないアドリブが飛び出すこともある。その後、撮影した素材を、まずはPCで仮編集し、クライアントの確認後、本編集にかかる、次に音楽録音、ナレーションを追加して完成。この完成品を試写し、クライアントOKが出ればTV局へ素材として納品し、オンエアとなる。長い道のりだ。
面白さの本質

面白さの本質
“普段何気なく見ていて、ぷっと吹き出してしまう。
オチがわかっていても、何度でも最後まで見てしまう。
どのようにすれば、こんな面白いCMができるのか?“

 そう考えた時、阿部氏の理論は貴重だ。面白いCMのキーワードは「記憶の弦を鳴らす」こと。つまり、誰もが思っていたり、感じたり、覚えたりしている事柄を、他の人とは違う、今までなかったスタイルで表現して、視聴者の記憶の弦を鳴らすこと。「お笑い芸人は自分の持ち時間が少ないため、人の記憶を利用して笑わせますよね。CMも原理は同じ。見た人が『うんうん』と頷くモードになるCMが、面白く、強く、記憶に残るCMということなんです」。

 では、今までなかったスタイルとは何だろうか。阿部氏はこのスタイルを探るために、自身のブログで海外CMを研究し、33の方法を発見した。たとえば、「意外な利用方法」、「大問題化する」、「文字化する」、など。こうした手法を新しいスタイルとして取り入れると同時に、記憶の弦を鳴らすことで、ヒットCMプランナーになれる可能性は高まると言う。

 CMプランナーの仕事の醍醐味は、「妄想を人のお金で現実化できる」、「世の中にウケる快感」、「著名人に会える・話せる」、「朝遅くても怒られない」、「プレゼンの日以外はスーツを着なくても良い」と、数多くあるが、国内外の広告賞を受賞した阿部氏ならではの意見もある。「広告賞を受賞すると、海外に招待されることもあるし、褒められるのは単純に嬉しい」。その一方で、つらいこともある。「そう簡単にクライアントがOKしてくれるものでもなく、企画が生まれない状態も、半端じゃないストレスになる」。
とはいえ、「面白くなきゃ、人生じゃない」といい切る阿部氏の姿に、会場の学生は憧れを強めたようだ。


学生へのメッセージ
◆記憶の弦を鳴らすために
記憶の弦の考えは、あらゆるエンタテイメントに共通しています。
制作に携わる人には、豊かな体験の記憶が必要です。
記憶がなくては、企画も生まれません。
高校時代に読んだシナリオ作家のコトバの受け売りですが、とにかく、いろんな所へ行ってください。いろんな事をしてください。いろんな恋をしてください。それができない人は映画を見てください。
◆広告はすべて有料のサービス
これはCMだけではなく、WEBも同じこと。
人に時間を支払わせるものですから、必ずエンタテイメントが必要です。
すべての良質なエンタテイメントに触れてください。
映画、アート、音楽、読書、旅など、人が楽しんでいるものに触れてください。
人生をどん欲に吸収する人、そして誰よりも楽しもうとする人が、CMプランナーに向いていると思います。面白くなくては広告じゃないし、面白くなくちゃ、人生じゃないですから。

阿部氏のブログ
Galliano’s TVC Review! http://gam.boo.jp/blog

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参加者の声

●ありがとうございました。最高にエキサイティングな時間を過ごせました!!

●こんな大人になりたいな と思いました。

●私は、大学で広告・マーケティングの勉強をしているのですが、その中で自分が何をやりたいのかがよくわかっていませんでした。ですが、今日の講演を聴いてCMについて興味がわいてきました。視野が広がりました。ありがとうございました。

●エンタテイメントに対する考えがすごく分析的で、ストラテジックだった。スゴい。


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