SNSで爆発的人気となったニホンザルの「パンチくん」で話題の市川市動植物園の「中の人」こと安永崇さん。SNS運用で経験したバズからのリスク管理の重要性や、最近の広告に対する違和感など、発信者・受け取り手双方の視点で話を聞いた。
現場のリアルを紡ぐSNS発信 世界が注目する「言葉」の責任感
市川市動植物園の安永崇さんは、2025年4月に市川市動植物園課の課長に就任。主に同園の広報を担い、特にSNSを駆使した情報発信に注力。いま注目のニホンザルの「パンチくん」ブームの立役者としても知られる。千葉県市川市で生まれ育った安永さんは、地元を盛り上げたいという思いから公務員に。1998年に市川市役所に入庁してから、これまでにさまざまな部署を経験した。
「ある年度は福祉に関わったり、別の年度では開発許可に関する事務をしたりと、異動のたびに転職レベルでガラッと業務が変わりました。ただ、そんななかでも、私は現場で当事者の話を聞き、ニーズを汲み取って課題解決するというスタンスで20数年間仕事に取り組んできました。そうした“現場ありき”の経験がいま、市川市動植物園での業務に活かせていると感じています」と安永さんは話す。同園の「中の人」として提供する情報は、動物たちの様子や、飼育員たちとの会話など、自らの目で見て聞いた現場のリアルをもとに情報を取捨選択し、推敲を重ねた丁寧な言葉で発信する。
「当園は公営なので、市川市のメディア運用ルールに基づいたSNSの運用基準を策定して情報を発信しています。当園の公式SNSは、基本的に私が中の人として、園内の様子を自らの目で確かめて、その都度、適切な情報をできるだけスピーディーに、かつ受け取り手に配慮した内容を心掛けて投稿します。自分の紡ぐ言葉が誤解をされないか、誰かを傷つけていないかと、投稿ボタンを押す直前はいつも緊張が...


