「見せるガバナンス」でガバナンスへの姿勢を示す

公開日:2026年4月13日

  • 浅見隆行

複雑化する企業の諸問題に、広報はどう立ち向かうべきか。リスクマネジメントを専門とする弁護士・浅見隆行氏が最新のケーススタディを取り上げて解説する。

相次ぐ大学での不祥事 トップ自らが説明を

    問題の経緯
    2026年1月24日

    東京大学大学院医学系研究科の教授が、2026年1月24日、収賄容疑で逮捕された。これを受け、翌1月25日に同学総長の藤井輝夫氏は「本学教員の逮捕を受けて」との総長メッセージを公表。「国立大学の教職員として法令遵守だけに留まらない、高いレベルの倫理意識が求められるなかで、度重なる教員の逮捕は痛恨の極みであり、言語道断で、遺憾であると言わざるを得ません。この事態を極めて重いものと受けとめ、厳正に対処する所存です」と表明した。1月28日には記者会見を開き、ガバナンス強化への姿勢を示した。

2025年末以降、東京大学での収賄事件をはじめ、大阪経済大学や琉球大学での公金横領、筑波大学や流通経済大学でのSNSへの不適切投稿など、大学教職員による不祥事が相次いで表面化しています。

こうした事態の背景には、国立大学法人ガバナンス・コードの策定や私立学校法改正といった法整備があります。これにより、大学にも企業と同様のガバナンスが強く要請されるようになり、組織の脆弱性が可視化されるようになったのです。また、SNSが社会に広く浸透したことで、教職員個人の発信が組織全体の評価を左右するリスクも増大しています。

一連の不祥事で各大学が行った広報を見ると、組織のガバナ...

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