若年層獲得に成功、発売2年半で累計60万本 ダウントレンドの焼酎市場で「KIRISHIMA No.8」が売れた理由

公開日:2026年2月16日

  • 霧島酒造「KIRISHIMA No.8」

焼酎市場は長期的な縮小傾向にあり、特に若年層の獲得が業界全体の課題となっている。そうした逆風のなか、霧島酒造が2023年に発売した本格芋焼酎「KIRISHIMA No.8」は、発売から約2年半で累計60万本を販売。若年層を中心に新たな支持を広げている。なぜ、ダウントレンドが続く焼酎市場で、この商品は売れたのか。本記事では、商品開発を担った長谷川氏と、営業・販促を担当した秋吉氏に取材。原料開発から始まった商品設計、従来とは異なる売り方、そして「すぐ買える環境」を重視した販促戦略まで、ヒットを支えた判断と実行の裏側に迫る。

焼酎市場は縮小傾向 若年層獲得が突破口だった

──2023年に発売した「KIRISHIMA No.8」の販売数が累計60万本を突破。ですが現在、焼酎カテゴリはダウントレンドだと言われています。

長谷川:焼酎市場には、2000年代初頭にいわゆる第3次焼酎ブームがありました。この時期は約50年ぶりに清酒を上回り、飲食店でも全国的に親しまれるようになった頃です。ただ、その後20年以上が経過し、現在、当社の主な飲酒層は50代から70代に集中しています。一方で、それより下の世代を十分に獲得できていないことが、焼酎市場においても非常に大きな課題です。ただ、焼酎業界全体が縮小傾向にある中で、発売から約2年半で60万本を突破したという点については、社内では「好調」と捉えています。

秋吉:年齢が上がるにつれて飲酒量は自然と減っていきますよね。そのため、新しい世代に焼酎を飲んでもらえなければ、市場全体が縮小していく構造です。現在の焼酎市場がダウントレンドにある最大の要因は、まさにこの「新しい層の顧客を獲得できていない」点にあると考えています。

──焼酎と若年層との距離が広がっている、ということですね。

長谷川:そうですね。現在の主な飲酒層が50代以上であることを踏まえても、若い世代にとって芋焼酎は「芋くさい」「年配の方々が飲むお酒」というイメージが強く、自分が飲むものとは認識されづらくなってきているのです。芋焼酎は長年にわたって熱心なファンに支えられてきましたが、これからの焼酎市場の広がりを考えると、これまで焼酎に馴染みがない人に、どう最初の接点をつくるか。その課題を解決しなければならないと考えていました。

本格焼酎の消費数量の推移
第3次ブームが約20年前。以来、焼酎市場は縮小傾向にあった。

「売れる理由」ではなく「商品へ...

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