“日常”と“ハレの日”の隙間を狙った新ポジション 発売10カ月で累計販売1億本突破 「キリングッドエール」はなぜヒットした?

公開日:2026年10月12日

  • キリンビール「キリングッドエール」

2025年10月に発売されたキリンビールの「キリングッドエール」が絶好調だ。発売から約10カ月で累計販売本数1億本*1を突破し、同社が過去15年間に発売した高価格帯ビールの中で最も好調な売れ行きを記録している。“スタンダード”と“プレミアム”の間を狙った価格帯やブランドのポジショニング。そして「ビールの力で日本の未来を明るくしたい」という大きなビジョンなど、これまでのビールマーケティングの常識を打ち破る施策の数々がヒットに結びつく歯車になっていた。

*1 350ml換算 2026年8月7日時点

    DATA

    商品名:キリングッドエール
    実勢価格:オープン価格(350ml缶・500ml缶)
    主な販路:全国のスーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストア、酒販店等

味やスペック訴求よりもお客さまの“直感”を重視

──「キリングッドエール」開発の背景と、企画の起点となった市場や生活者の変化について教えてください。

日本のお客さまにとって、ビールは長年親しまれてきた最も身近なお酒のひとつだと考えています。しかし、既存のブランドだけでお客さまの多様なニーズすべてに応えられているわけではないと思っていました。重視したのは、現代の生活において、ビールという飲み物自体がもっと魅力的な存在になること。そのためには、どんなビールブランドがあったらいいのだろうと考えていました。

「キリングッドエール」の商品企画で最初に行ったのは、「ビールの力で日本の未来を明るくしたい」という非常に大きなビジョンの設定です。このビジョンを起点に開発を進めました。

ビールは本来、とても陽気でカジュアルな飲み物です。乾杯の瞬間、その場の空気や人の気持ちをパッと明るくしてくれる。先行きが見えにくく、日々の気持ちが揺れやすい今の時代だからこそ、ビールが持つ陽気さや前向きな力には、改めて大きな価値があると考えました。

ビールが本来持つ価値に目を向けながらも、私たちが今回つくりたかったのは、これまでに存在しない新しい価値を持ったビールです。現代社会で、さらに魅力を発揮するビール。そのため、開発にあたっても、「これまでのやり方をなぞらない」ことをチーム内のグランドルールに定めました。当社は伝統あるビールメーカーではありますが、保守的にな...

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