東海道の起点として江戸時代から商業の街として栄えてきた日本橋では、東京駅前からつながる新たな“水都”として価値を創出すべく再開発が進行中だ。これに伴い、江戸後期にこの地に創業した山本海苔店日本橋本店も一時移転することに。これをきっかけに同店は、創業176年目にして初めて飲食事業を伴う新店舗に挑戦。そこには、生活様式の変化のなかで高級海苔の良さを感じてもらえる機会の減少があった。
移転前と比べ、店舗面積は約半分となったため商品点数を絞り込んだが、売上に大きな影響はなかった。「手巻きYAMAMOTO」は店内の一角を一段高くつくり、暖簾で囲うことで物販エリアと分けている。
移転先は日本橋の袂を曲がってすぐの、もともと飲食店舗があった場所。再開発に合わせての移転であったため、近隣であることが条件だった。再開発プロジェクトに合わせての移転スケジュールだったためメニューの開発は短期集中となったが、“チーム日本橋”のつながりにより日本を代表する食材と知見の集結を実現させた。
常に変化を続ける東京。令和の今、都心を歩けば至るところで大規模工事が進んでいる。なかでも街全体のアップデートが進行しているのが中央区だ。東京駅前の八重洲エリアに続き、日本橋でも再開発が本格化。日本橋の上を走る首都高速道路は2025年4月に地下化工事が着工し、日本橋川周辺の5つの再開発区域とその周辺を「日本橋リバーウォーク」と名付け、水辺を軸にした新しい“水都・東京”の姿が描かれつつある。
こうした再開発に伴い、対象エリアの店舗では移転が進んでいる。1849年に日本橋室町1丁目で創業した山本...

