2025.10.01 RENEWAL OPEN 八芳園
創業82年、東京・白金台の日本庭園を有する八芳園が創業以来最大規模のリニューアルを経てグランドオープンを迎えた。婚礼事業を深化させた「生涯式場」への進化、MICE事業の強化、そして白金・高輪エリア全体へと広がる地域プロデュースなど、社会ニーズの変化や企業価値の維持・発展のために徐々に進めてきたプロジェクトの本丸がその姿を現した。伝統を守りながら、次世代へと継承するための戦略とは。
メインロビーは、リブランディングのコンセプト「日本の、美意識の凝縮」を体現する空間に。シンボルツリーは、八芳園の象徴である“松”をモチーフに創作家具職人・西田政義氏がすべて木でつくり上げた。
メインロビーの壁面には高さ約4メートルの組子アート「光風庭伝」が設置され、和モダンな彩りを創出。水墨画家・小林東雲氏と組子職人・木下正人氏による作品で、水墨画で描かれた「松」「竹林」「太陽」「月」といった庭園に息づく自然を緻密な組子細工で表現。
リブランディングのテーマには「継承と創造」を掲げ、正面玄関からのエントランス全体も改修。歴史ある松の巨木の存在感を生かしながら、新たに左側には徒歩用のファサード、4階直結のエスカレーターを設置した。
ロビーの庭園に面した側は、そのまま庭に続くかのような設計で非日常感を演出。スペースの使用用途を見直し、最適配置することで、既存の建物を生かしながら将来に向けて長く使い続けるための施設を目指して設計されている。
新たなメインロビーへは、車寄せから左側に入り、日本の木材を多用したファサードを通っていく。一旦スペースを限定したところから屋内ながら開放感のあるメインロビーへの緩急が感情を刺激する演出に。「空調熱源や空調機器の高効率化」、「照明のLED化」、「断熱強化」...

