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広告をアップデートするテクノロジー

来るべき試合に向けて素振りを絶やさない

2013年に博報堂アイ・スタジオ内の研究開発部門として新設されたFuture Create Lab。ぬいぐるみ用ボタン型スピーカー「Pechat」や「Lyric speaker」の誕生に携わったチームでは、どのような開発が行われているのか。

左から、博報堂アイ・スタジオ Future Create Lab テクノロジスト/ハードウェアエンジニア 公文悠人さん、部長 望月重太朗さん、クリエイティブコーダー 尾髙陽太さん、ハードウェアエンジニア 進藤俊彦さん。ラボ専用の開発ルームにて。

博報堂アイ・スタジオ内のR&D部門

博報堂アイ・スタジオ内の研究開発部門であるFuture Create Lab は、同社の自社事業を担うビジネスデザイン本部内に2013年に設立された。現在、専任メンバーは9人。おのおのがデジタル分野で職能を持つプロフェッショナルだ。同ラボ部長の望月重太朗さんは、「僕ともう1人以外は全員エンジニアです。僕はクリエイティブディレクターとして、広告やコミュニケーションとテクノロジーとの接点をデザインする役割を担っています」と話す。

今回取材に応じてくれたテクノロジスト/デバイスエンジニアの公文悠人さん、クリエイティブコーダーの尾髙陽太さん、ハードウェアエンジニアの進藤俊彦さんのほか、AIやコンピュータグラフィック、コンピュータビジョンの専門家が在籍しているという。

同ラボが現在、フォーカスしている分野は、AI、ハードウェア、ビジュアライズの大きく3つだ。「我々の独自性は、ハードウェアとソフトウェアの両方を行き来しながら開発を進めている点にあります。ハードとソフトを行き来するとは、例えばセンシングで人の行動データを取り、AIがそのデータを学習し、新たなインフォメーションの形でアウトプットし、それをビジュアライズして人に届けるといったことです。全体としては、デジタルを使ったエクスペリエンスデザインのR&Dをしています」(望月さん)。

ソフトも、Web GL(ブラウザで3D表現をするための標準仕様)やUnity(ゲームエンジン)、スマホ系ソフトウェアなど、さまざまな技術を横断的に組み合わせ、開発を行っている。

独自開発したAR用ハードウェアモジュール。

デジタルと人の接点をデザインする

同ラボの現在の仕事は「研究開発 7:パートナー業務 3」の割合になっているという。「あえて100%フルコミットで研究開発しないようにしています。僕らはメディアアーティストではなく、刻々と変化する市場、消費者の課題に対してアプローチして、誰かのために何かを作るデザイナーとしての役割を担うからです」と望月さん。

以前はクライアントのオーダーを受け受諾開発も行っていたが、現在は開発パートナーに近い関係へとシフトしている。自分たちのケイパビリティを発信することに注力した結果、そこから提案型の仕事につなげられるようになった。進行中のあるメーカーとの新規開発では、クライアントの持つハードや技術に、同ラボのUXデザインやソフトデザインを掛け合わせ、ブランドの新しい体験づくりに取り組んでいる。

元々同ラボはソフト開発主体で、ハード開発は後から始めたのだという …

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広告をアップデートするテクノロジー

テクノロジーと広告の関係性が変化している。テクノロジーは、これまでのように、広告に新しい表現や新しい体験をもらたす存在にとどまらない。今では「AI クリエイター」などの形でクリエイティブ開発プロセスの一部を担ったり、エージェンシーの組織のパフォーマンスを上げるためのツールとしても使われるようになっている。

一方で、デジタルプロダクションに目を向ければ、自社開発の独自技術を持つことで、他プロダクションとの差別化を図ったり、クライアントとプロダクトを共同開発するケースも増えてきた。テクノロジーは、プロダクションの立ち位置そのものも変えている。

本特集では、第一線で活動するデジタルプロダクション各社の現場を訪ね、また広告会社内で進むAI ×クリエイティブ開発の動きを取材した。現在進行形で進む、広告界のアップデートの最前線をレポートする。

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