海外アワードに見る 社会課題と向き合うクリエイターの発想
2022年6月、カンヌライオンズは2019年以来となる現地開催が実現。日本からも多くのクリエイターが参加した。既に結果が発表されているクリオ賞、One Show、D&AD賞といった主要な広告関連アワードも含め、広告の領域の拡張と社会課題との向き合い方がひとつの大きな流れとなっている現在。世界共通の課題となったコロナ・パンデミックを経て、その発想とクリエイティブはどのように変化しつつあるのでしょうか。審査員や現地参加したクリエイターの声も交えながら、レポートしていきます。
企業の資産を活かし未来の指針を打ち出す「周年」企画のつくり方
周年の節目を迎えた企業ブランドにおいて、蓄積した資産を魅力的なコンテンツに生まれ変わらせ、次なる未来に向けた指針を打ち出すにはクリエイティブの力が欠かせません。周年のタイミングはブランドのファンを増やしていくための好機であるともいえます。アーカイブ型のコンテンツやムービー、新たなパーパスやステートメントを打ち出す施策など、その手段はさまざま。プロジェクト体制も含め、実現までのプロセスに迫ります。
クリエイターと未来の顧客を共創 事業開発の進め方
企業や団体が新たに取り組む事業やプロジェクトにクリエイターが参画する際、一体どのような役割が求められているのか。一方的な提案ではなく、事業主とクリエイターが良きパートナーとして傾聴と対話を重ね「共創」を進めていくスタイルが広がっている今。そのプロセスはやがて、未来の顧客の創造につながっていきます。今回は実際にローンチされた事業やプロジェクトの実例について、提案書類や企画書など実行に向けてのプロセスがわかる資料を紐解きながら、企画実現のポイントを探っていきます。
物語の力で共感を呼ぶ 企業のブランデッドコンテンツ活用
企業が映像と物語を通じて表現する「ブランデッドコンテンツ」。2000年代以降、その手法が国内外で注目を集める中で、位置付けや表現も多様化しています。従来の広告とも異なる世界観で企業の意志を伝えるにあたり、クリエイターに求められている役割とは。実例を交えつつ、企画制作のポイントを考えていきます。あわせて、経済産業省が実施するブランデッドコンテンツ制作への補助金制度についても解説。最大1000万円の支援があることから、企業規模などを問わず制作のチャンスが広がっています。
エンゲージメントとファンの熱量を高める ブランド広告の表現
タレントやアーティストなどを応援するファンの熱量を高め、それがすなわちブランドそのもののエンゲージメントの向上につながっていく──そんなブランド広告を目にする機会がますます増えています。成功の鍵を握るのは絶対的なクリエイティブやコンテンツの力であることはもちろん、メディアを横断した緻密な情報流通の設計にもアイデアが求められます。ブランドへの関与度を高める仕掛けを実現したプロジェクトはどのように実現したのか、気になる取り組みの裏側を探ります。
交通・OOH メディア特化型 クリエイティブの開発
2020年以降、ひところ空き枠が目立っていた交通広告、屋外広告が少しずつかつての光景を取り戻しつつあります。従来からあるスペースの活用はもちろん、より環境に溶け込んだアンビエント広告の開発、はたまたデジタルサイネージ、3D広告、DOOHなど手法の広がりとともに、街を行く人々はもちろん、SNS上で「話題になる」という形でメッセージを届ける新たなクリエイティブの開発も課題となってきました。ますます街に人の動きが戻っていくであろう2022年はこれら新旧の手法を織り交ぜながら、どのようなトライアルが進んでいくのか。最前線にいるクリエイターの声や、話題を集めた実践例から探っていきます。
体験価値と安心・安全を両立 新しい空間デザイン
コロナ禍を経て、少しずつ人の移動が増え始めている今。人が集まる空間、時間がもたらす価値が重視されるとともに、心理的な安心・安全の担保なども求められるようになっています。足を運ぶことで得られる特別な体験のクオリティと、その価値を損なわない範囲でのパーソナルスペースの確保、あるいは透明性の高いサービスの提供も含め、従来とは異なる価値提供が求められているともいえます。2020年以降にオープンした施設などを中心に新たなコンセプトを打ち出している空間デザインに触れながら、その解決策を探ります。
2021→2022 広告とクリエイターの新たな役割を考える
不安定な社会情勢のもと暗中模索に近い状況だった2020年を経た、2021年。夏には1年延期となった東京オリンピック・パラリンピックが、秋には衆院選も開催されました。一方で企業に目を向けると、ダイバーシティへの対応、サステナブル経営へのシフトなど課題が複雑化していく中、広告表現、そしてクリエイターの役割はどのように変わってきたのでしょうか。国内外で2021年話題になった広告コミュニケーションや業界の動きを総括しつつ、2022年をどのように見据えるべきか。さまざまなクリエイターたちの声から、次なるヒントを探ります。
地域の魅力を発見する クリエイター参画のまちづくり
リモートワークが広がり、人々が日々働き、生活をしていく場所の選択肢が多様化している今。それぞれの地域が持つ価値が少しずつ変容し、新たに「まち」としての存在意義を確立する動きが活発です。それはかつて急速に広がっていった" 地方創生" への動きとも、TOKYO2020 に向けインバウンドの観光需要に応えようとしていた動きとも異なる、地域に深く根付いていくもの。今こそ、地域に貢献したいクリエイターにとっても、地域活性化の担い手にとっても、双方が融合し新たなまちづくりに取り組むチャンスともいえます。さまざまな形態で地域の魅力に光を当てる、クリエイティブ発想でまちを元気にするプロジェクトの数々に迫ります。
ブランドの物語を紡ぐクリエイターの思考とプロセス
物語の力によって人々にメッセージを広く伝える、ストーリーテリングの手法。オンライン動画をはじめ尺の自由度が高まり、SNS など媒体の選択肢が広がったことで広告発のコンテンツにおいても物語を紡ぐ力が求められている状況といえるでしょう。今回は、ストーリーを基軸とした映像やデジタルクリエイティブの事例のほか、これらを生み出してきたクリエイターにフォーカス。映画やドラマや小説とも異なる、広告という場だからこそ機能するストーリーの生み出す思考とプロセスに迫ります。
好調企業・ブランドの勢いを加速させるクリエイティブ
上昇気流に乗り、勢いのある企業・ブランドの広告、プロダクトの数々。その一連のクリエイティブはどのように生み出されているのか。そこには挑戦するクライアント企業の揺るがない意志やブランドパーパス、クリエイターたちの並々ならぬ熱量、そして両者の強固なパートナーシップがあります。With コロナで長引く閉塞感をものともせず、社会に新たなムーブメントやポジティブな空気をつくり出す――そんな勢いづいた広告コミュニケーションを生み出している現場に迫ります。
海外アワードから読み解く 世界のクリエイティブ
世界の広告関連アワード開催にも影響を及ぼした2020年。そして2021年、カンヌライオンズ、One Show、クリオ賞、D&AD賞といった主要アワードの受賞作が発表となりました。今回の特集ではこれらの結果をもとに、知っておくべき主要な受賞作や、話題となったテーマについて紹介します。With コロナの状況が続く中、世界の広告クリエイティブは今どこに向かっているのか。その中で、日本はどんな立ち位置にあるのか。潮流を読み解いていきます。
事業成長に貢献するスタートアップ企業のクリエイティブ活用
スタートアップ、ベンチャー企業にクリエイティブ投資が必要だ、という議論が始まって久しい。新たなフィールドとしてこれらの事業会社に軸足を移し、チャレンジを始めているクリエイターも増えてきました。いわゆるCCO(チーフクリエイティブオフィサー)、CDO(チーフデザインオフィサー)といった役職を置くなど、組織体制を変革する企業も見受けられます。ではクリエイターやデザイナーは事業成長のために、どのような価値創出が期待されているのでしょうか。広告業界の知見を活かしたブランディング事例、あるいはインハウスでデザイン人材を必要とするケースなどから、経営者や現場のクリエイターの声に迫ります。
創刊60周年記念企画 青山デザイン会議2021
創刊60周年を迎えた今号は、1999年7月号から続くシリーズ企画「青山デザイン会議」から始まります。260回を超える「青山デザイン会議」は、スタート時の誌面によれば「広告の分野に限らず、建築、ファッションなどさまざまな分野のクリエイターとともに現在、および近い未来における課題について語り合うことで、これからの時代における新しいクリエイティブの流れを見出していく」というコンセプトを掲げ、スタートしています。特にこの1年はコロナ禍の影響で、先の予測が難しい時代といわれています。とはいえテクノロジーの浸透とともに、私たちの生活の進化はある程度予測がつくようになっているのではないでしょうか。しかし、そこで語られる「未来」はどこか予定調和で、ある程度想像ができてしまいます。
だからこそ、その想像を超えたところを生み出すクリエイティブの力が、私たちの希望を含んだ新しい世界を広げていくのではないでしょうか。それはまさに、1999年に「青山デザイン会議」という企画が投げかけた「誰も想像したことのない未来を語り合い、クリエイティビティのヒントを生み出す」という原点に返ることでもあります。『ブレーン』はこれからも、領域を超えて未来を創造してきた多様なクリエイターの皆さんと、「新しい未来」とクリエイターの役割を考えていきます。
企業の意志を伝える ブランデッドコンテンツ
企業が映像と物語を通じて表現する「ブランデッドコンテンツ」が近年、国内外で注目を集めています。従来の広告とも異なる世界観で企業の意志や姿勢を伝えるにあたり、プロモーション動画との違い、そしてクリエイターに求められている役割とは。実例を交えつつ、企画制作のポイントを考えていきます。あわせて、経済産業省では今年度もブランデッドコンテンツ制作への補助金制度をスタート。最大1000 万円の支援があることから、企業規模などを問わず制作のチャンスが広がっています。
SDGsの達成へ クリエイターが考える持続可能な社会
2030年をゴールとし、国連が推進しているSDGs(持続可能な開発目標/Sustainable Development Goals)。2020年にはSDGs達成のための「行動の10年(Decadeof Action)」がスタートし、企業は規模を問わず行動、実践のフェーズへと移行しつつあります。2021年、企業の課題解決に取り組むクリエイターにとっても無視できないトピックであるといえるでしょう。そこで本特集では、クリエイティブ、デザインの視点からサステナブル(持続可能)な価値を提案している事例を取材。SDGsの基本原則である「誰一人取り残さない世界の実現」に向けて、クリエイターが今、取り組むべきこととは。