デザイン経営時代 進化するインハウスクリエイター
企業のインハウスクリエイターやクリエイティブ専門部署に変化が起きている。会社組織の中で位置づけが変わったり、新たなインハウス組織を立ち上げる、独立したスタジオ(オフィス)を新設するなど、同時多発的な動きが見られる。外部のクリエイターと積極的に協業し、交流会を開くなど、よりオープンな気質を持っているのも、こうした新しいインハウス組織の特徴だ。なぜ今、こうした変化が起きているのか。各社への取材を通じて、インハウスクリエイターの役割の変化と、働き方の最前線を追った。
「食」の老舗企業の挑戦 ブランド開発とクリエイティブ
創業100年、200年と続く老舗企業が多数存在する日本は、世界一の「老舗大国」と言われる。その中で、近年、日本酒や日本茶メーカー、和菓子屋、乾物店など、「食」の老舗企業の新たな動きが目立つ。社長の代替わりなどを機に、新世代の経営者とクリエイターがタッグを組み、企業のリブランディングや新ブランドの開発に取り組むようになっている。本特集では、老舗企業がクリエイターと進めるこうしたブランド開発プロジェクトを紹介。老舗ブランドの課題をどう捉え、今の時代にふさわしいクリエイティブを導いていったのか、事例を通じてひもとく。
越境クリエイターの働き方
「人生100年時代」と言われる中で、いくつになっても学び直し、新しいことにチャレンジしようという機運が高まっている。広告界に目を向ければ、身を置く場所を変えながら新しいスキルを獲得したり、異分野の経験を新たな分野に持ち込んで挑戦を続けるクリエイターの活躍が目立つ。同時に、クリエイティブ組織のあり方も変わってきた。エージェンシーやプロダクションといった従来の役割や形式にとらわれず、多様性あるメンバーが集まり、新しい役割で柔軟にクライアントをサポートしようとする会社や組織が増えている。本特集では、職種、業種の壁から国や人種まで、さまざまな境目を軽やかに超えながら活躍の場を広げる個人や組織にスポットを当て、多様な形の“越境”スタイルを紹介していく。
広告をアップデートするテクノロジー
テクノロジーと広告の関係性が変化している。テクノロジーは、これまでのように、広告に新しい表現や新しい体験をもらたす存在にとどまらない。今では「AI クリエイター」などの形でクリエイティブ開発プロセスの一部を担ったり、エージェンシーの組織のパフォーマンスを上げるためのツールとしても使われるようになっている。
一方で、デジタルプロダクションに目を向ければ、自社開発の独自技術を持つことで、他プロダクションとの差別化を図ったり、クライアントとプロダクトを共同開発するケースも増えてきた。テクノロジーは、プロダクションの立ち位置そのものも変えている。
本特集では、第一線で活動するデジタルプロダクション各社の現場を訪ね、また広告会社内で進むAI ×クリエイティブ開発の動きを取材した。現在進行形で進む、広告界のアップデートの最前線をレポートする。
ブランドの魅力を発信する空間・体験のデザイン
ポップアップストアや期間限定店舗など、メーカーを中心としたブランドが、リアルな空間を新たに持つケースが増えている。「午後の紅茶」は代官山で紅茶とフードを楽しめるカフェをオープンし、味の素冷凍食品は日本式餃子の専門店を赤坂にオープンした。集英社の『週刊プレイボーイ』は、新宿歌舞伎町にグラビアアイドルと飲める酒場をオープンし、盛り上がりを見せている。なぜ、いま各社がこぞってリアル店舗の運営に乗り出しているのか。本特集では、各社にその狙いと共に、ブランドや商品をリアルな店舗での体験に置き換えていくための方法を聞いた。
グッドデザイン賞2017レポート
近年、「デザイン」という言葉が示す意味は広がりをみせている。グッドデザイン賞への応募にもプロジェクトなどが増え、評価対象の多様化が進む。本年度の審査ではモノもコトも最終的に表出される部分がどれだけのクオリティに仕上がっているかが改めて重視された。受賞作の中から、大賞を含む注目の作品を紹介する。
トップクリエイターのすごい企画書&プレゼン
話題のキャンペーンのはじまりはこの1枚の企画書からだった。クリエイターが制作し、プレゼンで実際に使われた企画書を公開する、ブレーンの人気特集。気になるあのキャンペーン、エッジの立った広告表現はどのような企画書、プレゼンを通じて実現したのだろうか。トップクリエイターは、普段どんなスタイルでクライアントにプレゼンを行っているのか。普段は見ることのできない、その企画・プレゼン法について語ってもらった。
読者が選ぶ 広告グランプリ2017
2017年もさまざまな広告が話題になり、ヒットを生みました。あなたにとっての「ベスト広告」は何でしたか?ブレーン編集部では、今年も「読者が選ぶ広告グランプリ」アンケートを実施しました。学生からクリエイティブディレクター、広告主の皆さんまで、さまざまな立場の方が選んだ「ベスト広告」を集計したランキングを、ここで発表します。編集部のトーク形式で、読者の皆さんから寄せられたコメントと共に2017年の広告、そしてトレンドを振り返っていきたいと思います。後半では、広告クリエイティブを取り巻く2017年の重大ニュースを取り上げます。2017年に起きたさまざまな出来事を見つめ直し、来たる2018年を迎えるための準備としていただければ幸いです。
THE ONE SHOW 2016 レポート
カンヌライオンズ、クリオ賞と並ぶ、世界三大広告賞の一つ、THE ONE SHOW。『ブレーン』は今年、THE ONE SHOWとメディアパートナーを提携したことを機にニューヨークで取材を敢行しました。同賞のクリエイティブボードメンバーであるPARTY 伊藤直樹さんとともに審査員、そしてボードメンバーを訪問。いま彼らがどんなことを考え、新たなるクリエイティビティを生み出しているのか。その組織のあり方とともに考えます。
グッドデザイン賞2016 社会と共にあるデザイン
フォーカスイシューを設けたことでよりさまざまな観点から審査が行われるようになったグッドデザイン賞2016。プロダクツやプロジェクトなど、今年度は1229件が受賞した。受賞作の中から大賞を含む注目の作品を紹介する。
企業・社会を変えたクリエイターの発想
新規事業や事業転換、コーポレートブランドの刷新など、企業の大きな変革の節目に、クリエイターが立ち会うケースが増えている。経営者や組織のトップのパートナーとして、ユーザーや地域、そして社会全体にどのようなメッセージを、どんな顔つきのクリエイティブで発信すべきかを考える。
そして、実現のために必要なスキルや資産を持つ人や企業をチーム化し、トップのビジョンを具現化する体制を作り出す。トップはクリエイターの発想に何を期待し、その実現プロセスはどのようなものだったのか。PR発想で進化する広告クリエイティブ
広告で人が動きづらくなっている世の中で、社会的文脈に沿った情報発信とクリエイティブやアイデアの力をかけ合わせ、ブランドに対する関心や好意度を高めていく「クリエイティブPR」に注目が集まっている。広告を打っただけでSNSで話題にするのは難しく、たとえ話題になり拡散されたとしても、炎上のような形で悪いレピュテーションが広がっては逆効果。生活者からどれだけ共感と好意的な反応を狙って引き出せるか、広告表現はもとより、その先の反応や評判まで設計することが求められるようになっている。そのためには、生活者が深く共感する文脈と人にシェアしたくなる魅力的な表現の双方を掛け合わせる必要がある。今回の特集では、クリエイティブPRにいち早く取り組んで成功した事例を中心に、これからの広告クリエイティブに欠かせない“PR視点の発想”を解き明かしていく。SNS時代に効く! ネーミング
いかに短く、キャッチーな言葉で、話題になるネーミングを行うか。最近話題の商品・サービスのネーミングを見ると、一貫してそのような視点が感じられる。SNS につい書き込みたくなる言葉、メディアが取り上げやすい言葉、ネーミング自体に視点や問題提起が含まれている言葉――。SNS 時代になり、ネーミングにも新たな黄金ルールが生まれているのではないだろうか。今回の特集では、さまざまなジャンルのネーミングの生みの親に、どんな狙いを持ってネーミングを行ったのかを取材。今の時代に効くネーミングの作法を明らかにする。海外広告賞から読み解く 世界のクリエイティブ
今年も6月にカンヌライオンズが開催され、“2017年の見るべき受賞作”が出揃いました。本特集では、カンヌライオンズ、そして5月に行われたOne Show、D&ADの3賞の結果を元に、世界の広告の中から、今年の知っておくべき主要な受賞作や、話題となったセミナーを紹介します。世界の広告クリエイティブは、今どこに向かっているのか。その中で、日本はどんな立ち位置にあるのか。また、拡大を続ける世界の広告賞ビジネスの行方は。世界を舞台に活躍するクリエイターたちの言葉と受賞作から、その潮流を読み解いてお伝えします。アイデアで活性化 地域×クリエイターのプロジェクト
地域の活性化の手法やアイデアが、広がりを見せている。自治体の首長とクリエイターが手を組み、あるいは職員とクリエイターがひとつのチームとなって、全国各地のプロジェクトに携わるケースも増えてきた。今回の特集では、こうした地域×クリエイターのユニークな新プロジェクトに光を当て、その着想から実際の展開までを紹介する。観光資源づくり、地域の産業振興、移住促進、あるは人口減少・結婚・出生率下降への対策など、地域の課題には、全国の自治体に共通するものも多い。自由なアイデアの力で、こうした問題にどうアプローチしたのかをひもといていく。新しい広告主企業の新しい広告の使い方
旧態依然とした業界に風穴を開けるように、さまざまな領域でスタートアップによるサービスや商品のアップデートが進んでいる。
一方で、大手企業による新しい業種・業態への新規参入も進み、各業界のプレイヤーの顔ぶれは変化している。そして、こうした各業界に生まれている“新しい広告主”による、広告コミュニケーションやブランディングも活発になってきた。
従来の広告表現や、制作手法、業界慣習などにとらわれず、新しい広告主たちは自由な発想と語り口で、広告活動に取り組んでいる。今回の特集では、広告界に新たに登場したこうした企業に、広告やブランディングに対する取り組みと考えを聞いていく。