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SDGsの達成へ クリエイターが考える持続可能な社会

モノを通してサステナビリティの意義に気づいてほしい

繊維専門商社の豊島は2015年、食品会社が廃棄せざるを得なかった野菜や食材を染料としてテキスタイルに活用するプロジェクト「FOOD TEXTILE」をスタートした。「ただ捨てられていくものを、生まれ変わらせることで、“食”を中心とした衣・食・住の生活シーンをファッショナブルに楽しむ」をコンセプトに、オリジナル商品はもちろんのことアパレル企業などとコラボした商品を次々と生み出している。

FOOD TEXTILEで廃棄予定の食材が、染料、テキスタイル、服などに生まれ変わるまで。

ひとりの社員の自主提案からスタート

「20代の頃はそれこそ馬車馬のように働いていたんです。でも30代が近づき家族ができて、子どもができて、この働き方が果たして自分や家族にとって良いことなのだろうかという気持ちが芽生えてきました。何か新しい発想のプロジェクトを立ち上げて、会社の誇れる事業に成長させたい。社会が求めることはなんだろうと。新たなヒントを求めて、異業種交流会に参加しました」と豊島 八部五課 谷村佳宏さん。

「FOOD TEXTILE」はそこで、キユーピーのCSR担当者と偶然出会ったことから生まれた。「どうしても商品にできない野菜があるんですけれど、何かできないですかね」と持ちかけられたのだ。共感する部分も多く、会社に持ち帰り提案したところ、後押ししてくれた。そして、2015年2月にプロジェクトがスタートした。

プロジェクト名は、食べ物の残渣をテキスタイルにすることから、「FOOD TEXTILE」。シンプルなネーミングだが、そこには生活者にきちんと伝わるわかりやすさが大切だという谷村さんの想いがある。「この名前だと、余ってしまった食べ物からできた染料を使ったテキスタイルであることが、連想しやすいと思うんです」。つながりのある染色工場に相談し、試行錯誤の結果、天然染料を90%以上使用した優しい色合いの染料、そしてテキスタイルが完成した。

FOOD TEXTILEの染料の材料となっている食材。ブルーベリー、レタス、ドリップコーヒー、ルイボス。

余ってしまった食べ物からできた染料を使った糸と布

押しつけがましいコミュニケーションは実践に繋がらない

技術的な課題、関係各所への調整などさまざまな苦労を乗り越えていざ実用化したが、当初はあまり関心を持ってもらえなかったという。「なぜコストをかけてまで、キャベツで染めた服を着るんですか」と言われたことも。

「啓蒙も含めて、本当に大変でした。ひとりのサラリーマンが『サステナビリティ』だと言ってもなかなか多くの人には伝わらない。そんな中、有名ファッションブランドとの取り組みはありがたかったです。CONVERSEのように老若男女問わず認知されている靴は...

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SDGsの達成へ クリエイターが考える持続可能な社会

2030年をゴールとし、国連が推進しているSDGs(持続可能な開発目標/Sustainable Development Goals)。2020年にはSDGs達成のための「行動の10年(Decadeof Action)」がスタートし、企業は規模を問わず行動、実践のフェーズへと移行しつつあります。2021年、企業の課題解決に取り組むクリエイターにとっても無視できないトピックであるといえるでしょう。そこで本特集では、クリエイティブ、デザインの視点からサステナブル(持続可能)な価値を提案している事例を取材。SDGsの基本原則である「誰一人取り残さない世界の実現」に向けて、クリエイターが今、取り組むべきこととは。

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