養蚕業の現場の悩みから誕生 時代を映す著名人を広告起用し虫刺され薬市場でシェア1位に

公開日:2026年10月14日

  • 池田模範堂「ムヒ」

Since 1926
(左)1931年発売の「ムヒ」 (右)2026年8月現在の「ムヒ」

1926年、缶入りのワセリン軟膏として初代「ムヒ」が登場した。開発者は創業者・池田嘉市郎の息子で、初代社長の池田嘉吉氏だ。

きっかけは、当時盛んだった養蚕業の現場にあった。殺虫剤を使えず、かゆみ止め薬もない。働く人々は虫刺されに悩んでいた。そこで商品開発に踏み切った。

「比べるものがないほど優れている」を意味する「無比」に由来するカタカナの商品名も、漢字表記の商品が並ぶ当時にあって珍しく、注目を集めた。1931年には白いクリーム状の「ムヒ」が爆発的ヒットを記録した。

現在の「ムヒS」に通じる赤・白・青の配色は、1964年東京オリンピックで印象的だった配色の影響だという。以来、パッケージの大きな変更は避けてきた。

「一目でムヒと分かってもらえること。それによって、当たり前のように家にある家庭常備薬という立ち位置をキープできたと思っています」(研究開発部部長 小嶋善彦氏)。

しかし100年の道のりは順風満帆だったわけではない。1971年発売の「ムヒL」は売上が伸びず、1988年に「液体ムヒ」へ改称。競合2ブランドとの競争を経て、シェアで一歩リードしたのは、2000年代...

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