10月初旬、ニューヨーク・タイムズ紙とニューヨーカー誌がスクープした映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインによるセクハラ問題は「被害者は声を上げよう」と女優アリッサ・ミラノの呼びかけによりSNSで世界を巻き込む大事件となった。広告業界は経営陣の大部分を白人男性が占めている件で行政から改善命令を受けているほどで、セクハラも以前から問題となっていた。そして今、広告業界内部から改革を求める声が拡がっている。

ダイバーシティよりまずは、業界を挙げたセクハラ対策
11月2〜3日に開催された広告業界における女性地位向上のためのシンポジウム「The 6th Annual 3% Conference」(1)。
(1)The 3% Conference



女性のクリエイティブ・ディレクターが全体の3%しかいなかったことで名付けられた「The 3% Conference」。女性だけでなくあらゆる人種やマイノリティなどを雇用し、ダイバースな労働環境を整えることを訴える団体。第6回目を迎えた今年は、昨今のセクハラ問題を中心に議論が進められた。

元広告会社会長で、現非営利団体会長のシンディ・ギャロップ氏(上)は「女性を大切に扱う企業にお金が集まる」と力説し、広告業界からセクハラをなくすための具体的改善点を発表した。
“3% Conference”の名称は2008年当時の「業界全体のクリエイティブ・ディレクターの女性の割合はたった3%」という男女差別を表すキーワードから付けられた …