個性的な色づかいと濃い線で描く作品が海外から注目され、SNSのフォロワー数は計14万人以上を誇る元お笑い芸人で画家の落合翔平さん。海外への発信活動に注力しているという落合さんの“逆輸入”作戦とは?また創作活動に刺激を受けた広告作品についても話を聞いた。

お笑い芸人から画家へ転身 海外での知名度を日本に逆輸入
画家として2018年に活動を開始した落合翔平さん。えんぴつとペン、絵の具というシンプルな道具で描かれる作品は、力強い筆圧によるダイナミックな形状や立体感ある線画が特徴的だ。画家としてのキャリアの転機が訪れたのは、2022年。カルチャー・アイコンとして世界的人気を誇るクリエイティブ・ディレクターのファレル・ウィリアムス氏に作品の個性を見出され、ファレルの私物をモチーフに描いた絵が、彼が運営するオークションに出品された。そこから、国内外の知名度が格段に上がったのだ。2023年には東京で大規模個展を開催するなど、アーティストとしてのキャリアを確立し、高い注目を浴びている。
そんな落合さんは、元お笑い芸人という異色のキャリアの持ち主だ。幼い頃からお笑い番組を見て育ち、芸人に憧れていたと話す落合さん。学生の頃は、みうらじゅん氏やリリー・フランキー氏など、美大出身タレントのメディアでの活躍ぶりに注目。お笑いと美術、2つの進路に悩んだ挙句、「(お笑いという分野に限らず)個性的で面白い人がたくさんいそうな環境に身を置きたい」と美大への進学を選んだ。
しかし、大学卒業後は意を決してエンタメの道へ。テレビプロデューサーの吉田正樹氏に弟子入りした。その...