約20年にわたりゲーム制作の第一線で、プランナー、シナリオライター、ディレクター、プロデューサーとして活躍し、現在は日本工学院八王子専門学校で後進の育成に携わっている吉冨賢介さん。人を夢中にさせる「体験」を考え続けてきた吉冨さんに、ゲームづくりと広告に共通する発想や、いまの広告に期待することを聞いた。
『かまいたちの夜』との出会いゲームを「つくる側」の世界へ
長年ゲーム業界に身を置いてきた吉冨さんだが、幼い頃から熱心なゲームファンだったわけではない。幼少期に発売され世の中を熱狂させた「ファミリーコンピュータ」などは持っておらず、むしろ好きだったのは映画。漠然とエンタテインメントに関わる仕事がしたいと考えていたという。
そんな吉冨さんをゲームの世界へ引き込んだのが、大学時代に出会ったゲームソフト『かまいたちの夜』だった。プレイヤーの選択によって物語が分岐し、結末も変わっていく。その仕組みに魅了されたという。
「もっと遡ると中学生の頃に、選択肢によって物語が分岐する『アドベンチャーブック』という本が好きで、自分でもノートに書いて友人に遊ばせたりしていたんです。『かまいたちの夜』はまさしくアドベンチャーブックのゲーム化で夢中になりました。選択の分岐をすべて試して自分でフローチャートにして研究するくらいやり込みましたね(笑)」。
大学卒業後、コナミデジタルエンタテインメントに入社。プランナーをはじめ、シナリオライター、ディレクター、プロデューサーなど、さまざまな立場でゲーム制作に携わった。その後、家庭用ゲームから携帯電話やスマートフォン向けゲームへと市場が大きく変化するなか、自身のキャリアについても考えるようになった...


