広告は“ 見ることを強制されるもの” ではなく、日常の延長線にあるような距離感であってほしい

公開日:2025年9月10日

  • 茅野しのぶさん

華やかなアイドルの衣装から医療、学校や企業の制服まで、さまざまな分野の服飾を手掛ける茅野しのぶさん。アイドルの“カワイイ”を衣装で牽引してきた茅野さんは、時に広告から気付きやアイデアを得ることもあると話す。そんな茅野さんに、広告が生活者に与える影響や、生活者目線から広告について大切なことを聞いた。

“カワイイ”を衣装で叶えるために業界人も驚く徹底したものづくり

衣装デザイナーとして活躍中の茅野しのぶさんは2005年、AKB48の衣装スタッフとしてキャリアをスタート。AKB48創設当初から参画している茅野さんは、メンバーの個性を把握し、一人ひとりが晴れ舞台で輝けるような衣装づくりを目指してきた。中でも一番のこだわりは「生地」。デザインにあたり、気に入った生地がなければ、生地づくりから手掛けるのだという。

「以前、韓国の方と仕事をしたときに、『生地からつくるって、どういうこと?』と驚かれました(笑)。それくらい、衣装業界で生地から衣装をつくるのは稀なことで。ここまでやるとオートクチュールの域に入ってしまいますけど、妥協したくないのでデザインは生地からとことん追求します」。

そんな茅野さんはかつて、おしゃれが大好きなティーンエイジャーだった。学生時代は原宿系や古着が好きで、自らリメイクしたり、つくったりして楽しんでいたという。そんななか、高校生の時に文化祭で、自分がつくった服を教師に褒められたことをきっかけに“服づくり”への関心が高まり、高校を卒業後、服飾の専門学校に進学した。卒業後は、スタイリストのアシスタントとして従事。独立を考えていた頃、秋元康氏がAKB48を立ち上げるという情報をキャッチし、“何か新しいことができるのでは”と...

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