フリーアナウンサーとして数々の番組で活躍中の徳永有美さん。広告クリエイターを志望していたという徳永さんは「言葉と映像の力」が最大発揮される広告に感心すると話す。メディア乱立時代で情報にのまれないよう、生活者のメディアリテラシーの必要性を説く徳永さんに、広告の在り方について聞いた。

発信する言葉に私情を乗せない 正しく伝えることに配慮
テレビ朝日『報道ステーション』やABEMA NEWSチャンネル『ABEMAヒルズ』などに出演中の徳永有美さん。日々、「言葉や伝え方をじっくりと練る」と話し、夜放送の番組の当日は準備のため夕方には現場に入る。そして放送内容を確認し、スタッフとの打ち合わせでは、自ら練った言葉とともに議論を交わし、さらにブラッシュアップしていく。この丁寧な工程を経る理由は、取材先その他、いろいろな人からつながれたニュースや言葉を、最後にキャスターという立場で伝える責任を重く感じているからとのこと。
徳永さんは日本から海外まで、各地で起きるさまざまな出来事を発信する際の言葉づかいに最大限の配慮をしながら、視聴者と真摯に向き合い、丁寧に伝えることを信条としているのだ。
言葉は良いようにも悪いようにも受け取られてしまう。キャスターが発した一言が物議を醸し、番組や企業の問題に発展する例も少なくない。徳永さんは、特に人を傷つけることがないよう、言葉づかいには細心の注意を払うと話す。
「アナウンサーやキャスターはクリエイターではないので、発信する言葉に自分の色やクリエイティビティを過剰に乗せることはしないようにと考えています。ニュースを伝える言葉に私的感情を乗せることは、ニュースの本質を捻じ曲げてしまいかねない。皆さんに伝える時は、取材情報や周りから得た知見や意見を、自分の中で精一杯熟...