募集開始から1カ月が経過し、手元に集まったコピーを前に「ここからどうクオリティを上げればいいのか」と悩んでいる応募者の方も多いと思います。今回は、今年度から新たに審査員長に就任した一倉宏氏と、最終審査員を務める磯島拓矢氏を迎え、無数の言葉から選ばれる「受賞作」の境界線、そしていま取り組むべき創作の姿勢について話を聞きました。
言葉を一般化するのではなく「自分自身の実感」に引き戻して
―8月号のインタビューでは一倉さんに「審査で思わず手を止めてしまうコピー」について伺いました。
一倉:あれは後から「しまったな」と思ったんです。「美しい響き」というタイトルは、上品さや綺麗な並びだけを求めているような誤解を生んでしまったかもしれない。ぼくが本当に言いたかったのは、綺麗に整った美しさではなく、これまでにない「新しい響き」があるかどうかなんです。コピーにおける言葉は、単なる論理記号ではありません。理屈で説明されたら納得するけれど、そこで止まってしまう言葉はやはり勝ち残れない。説明文に頼らず、独立した言葉として響いてくる力。審査員が直感的に手を止めてしまうのは、そうした作品ですね。
磯島:求めるのはやはり「新しさ」や「大胆さ」。コンテストだからこそ、綺麗にまとまったものより、思い切って遠くまで飛んで...

