空を見上げる楽しみを「備え」の力に 広告の「反応設計」に学ぶ“言葉の紡ぎ方”

公開日:2026年3月05日

  • 荒木健太郎さん

SNSや書籍などを通じて気象情報から防災の重要性を「楽しさ」を掛け合わせて発信している、雲研究者の荒木健太郎さん。能動的な防災には広告の「反応設計」の視点が効果的だと話す荒木さんに、未来の防災を支える情報リテラシーのあり方や、広告の切り口から見た情報の伝え方について話を聞いた。

ゲームのように楽しみながら防災意識を高める取り組み

気象学者で、雲の研究者として活動する荒木健太郎さん。数学を基盤とした緻密な理論と、生活に根ざした防災の視点をあわせ持つ研究スタイルが特徴的だ。もともと経済学部の専攻から気象学へと転じた異色の経歴を持つ。予報・観測の現場での実務を通じて、「予測の困難な大気現象」の裏にある雲の未解明な領域に着目。以来、防災の最前線から雲のメカニズム解明に挑み続けている。近年では、一般向けの解説書執筆も手掛け、『すごすぎる天気の図鑑』と題したシリーズ(KADOKAWA)は累計50万部を突破。雲の視点から気象を捉え直すその独自の語り口は、多くの読者に空を見上げる喜びを伝えている。

こうした活動の傍らで、荒木さんは「情報が人々に使われなければ意味がない」という信念のもと、防災情報の普及活動に尽力している。そのきっかけとなったのは、2015年の「平成27年9月関東・東北豪雨」だった。その前の2014年、茨城県常総市での講演で「ハザードマップの確認」を呼びかけていたものの、実際に鬼怒川の氾濫によって被災した人々から返ってきたのは「まさか自分が」という言葉。一時的な啓発で防災意識を維持させる難しさを痛感したという。この経験から、荒木さんは「能動的な防災」には「楽しさ」...

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