シジュウカラがただの感情を表した鳴き声ではなく言葉を発していることを、研究で明らかにした動物言語学者の鈴木俊貴さん。自身の本を出版したことで、広告の仕組みにも関心を寄せる鈴木さんが考える、動物言語学と人間のコミュニケーションにおける類似点や、人と広告の関係性について話を聞いた。
動物も言葉を話す!?世界初の学問領域「動物言語学」
シジュウカラの美しいさえずり、実はそれは言葉だった̶。この事実を世界で初めて突き止めたのが、鈴木俊貴さんだ。鈴木さんは大学在学中からシジュウカラの研究を始め、200ほどの鳴き声のパターンから、単語と文法を発見。20以上の単語を組み合わせて文をつくっていることを解明した。この研究内容を論文にまとめ、『Nature Communications』や『PNAS』などの権威ある学術誌に次々に発表し、世界中に衝撃を与えた。その後、鈴木さんは「動物言語学」という新たな分野を立ち上げ、2023年に東京大学先端科学技術研究センター准教授に就任。現在も日々、研究に邁進している。
年におよそ200~300日もの期間、森の中に身を置き、鳥たちの声に耳を傾ける鈴木さん。全神経を研ぎ澄ませ、ひたすら鳥たちを観察する。そこに新しい実験のアイデアを組み合わせることで、「動物は言葉を話さない」という常識を覆す大発見となった。それだけではなく、最近では“ジェスチャー”で意思を表現するという行為も発見。シジュウカラのメスが翼をバタバタさせる動きが、「お先にどうぞ」と相手に譲る仕草であることを明らかにした。
「私は研究をするうえで、観察と思考を止めないよう...


