「IT企業からDX企業へ」─企業カルチャーを変革するには、方針を発表するだけでなく、従業員一人ひとりの意識変革が不可欠だ。富士通はどのようにして従業員の当事者意識を醸成し、自律的な組織を生み出しているのか。
DATA | |
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企業名 | 富士通 |
設立年 | 1935年 |
従業員数 | 11万3000名(2025年3月31日現在) |
施策の管轄部門・人数 | CEO室DX Division 28名 |
施策における ポイント
経営方針の大きな変更に伴いカルチャー変革も急務に。社内コミュニケーションの重要度が増すことを察知し、「Purpose Carving」などのプログラムや社内SNSの導入にスピーディに対応。従業員が自律的に参画できる環境を整えた。
富士通グループには社内コミュニティが多数存在。多くの従業員がコミュニティに参加し、日々、活発に取り組みを行っている。これらは、強制的に設立や参加を促されているのではなく、大半が従業員により自主的につくられ、活動に賛同した従業員が自由に参加することで運営が成り立っている。
コミュニティの運営が活発化している要因のひとつに社内SNSの活用が進んだことが挙げられ、その背景にあるグループ全体の経営方針の転換にもつながっている。
カルチャーの変革が急務に
同社は2019年に現・代表取締役社長CEOの時田隆仁氏が就任。「IT企業からDX企業への転換」を宣言し、全社的な社内改革として、DXプロジェクトが開始された。
ここで言う“DX”とは単なるデジタル化ではなく、人・組織・カルチャー、オペレーション、マネジメント、事業すべての面で在り方を変革し、これにより社会の課題解決にコミットするということ。この変...