複雑化する企業の諸問題に、広報はどう立ち向かうべきか。リスクマネジメントを専門とする弁護士・浅見隆行氏が最新のケーススタディを取り上げて解説する。
プルデンシャル生命保険 社員らによる不正で会見
プルデンシャル生命保険は2026年1月16日、106名の営業社員・元営業社員が顧客501名から合計約31億円を不適切に取得した事実等を公表し、1月23日に経営陣による記者会見を行いました。注目される中で行われた会見は、様々な角度から批判され、かえって世の中の人たちからの不信感を招く結果になりました。その後、2月10日に2回目の会見を行いました。
そこで、今回はこのケースを題材に、不正・不祥事が明らかになった際の会見の課題を解説します。
「シャンシャン記者会見」ではNG
不正・不祥事が明らかになった際に行う会見の目的は、記者との真伨な応答を通じて、経営陣が自社の過ちを反省し、現状の課題を正確に把握している姿勢を示すことにあります。
ところが、経営側や広報担当者は、つい波風を立てずに質疑をさばくスムーズな記者会見、言わば「シャンシャン記者会見」を目指しがちです。
株主総会のように会社法上の厳格な手続きが求められる場では、万全の準備によって円滑に進行する「シャンシャン総会」が許容されることもありますが、危機時の会見においては話が別です。
記者からの質問に対して、経営陣が言葉に詰まったり、深く悩みながら絞り出すように回答したり...


