「ヒットの達人」の頭の中はどうなっている? 400超の事例から見えた3つの共通点

公開日:2026年3月03日

  • 中村直文氏(日本経済新聞社)

話題の商品は誰が、どのような発想から生み出したのか。『「ヒットの達人」の頭のなか』の著者であり、数多くのヒット商品や仕掛け人を取材してきた日本経済新聞社の編集委員である中村直文氏は、ヒットを小さな工夫によって引き起こされた“再現可能な引き金”として捉えてきた。本稿では、中村氏の知見をもとに、視点の転換や“変えた一点”によって支持を獲得した事例を通じて、ヒットの裏側を読み解く。

国内総生産(GDP)の約6割を占める個人消費は、いうまでもなく日本経済の生命線です。しかし、あらゆるモノが行き渡り、成熟期に入った現在、消費を動かすことは容易ではありません。

私は2016年に日経MJの編集長を務めて以来、様々な消費の現場を見つめました。その中で感じたのは、「自分以外の意識で成り立っている世の中は、想定通りにはつかめない」という厳しい現実です。以来、ヒットメーカーの問題発見力や共感づくり、そして一筋縄ではいかない消費者心理を取材してきました。

2018年からは日本経済新聞社の編集委員として、こうした視点をもとに日経本紙でコラム「ヒットのクスリ」を連載しています。2026年で9年目を迎え、約400回に及ぶ連載内容をテーマ別に整理・再編集したものが、書籍『「ヒットの達人」の頭のなか』です。ここでは、同書の中から特に印象深い事例を取り上げ、ヒットが生まれる構造をひも解いていきます。

掟① アングルを壊す

常識を疑えば市場は広がる

最初のテーマは「アングルを壊せ」です。ここでいうアングルとは、既存の消費や市場に対する“常識的な視点”のことを指します。壊すといっても、すべてを否定するわけではありません。次の市場に応じて、構えを変えるという意味です。

顧客というのは大きく「今の顧客」と「未来の顧客」に分けられます。成長を持続するためには、今の顧客を大切にしつつ、未来の顧客をどう獲得するかが重要になります。その好例が、北海道日本ハムファイターズが運営する「エスコ...

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