1960年の発売以来、日本の食卓で親しまれてきた丸美屋食品工業の「のりたま」。長年愛され続ける一方で、8回にも及ぶリニューアルを重ねるなど、変化する生活者ニーズにも柔軟に対応してきた。2024年には過去最高の売上を記録。ブランドの核を守りつつ、なぜ今なお成長できているのか。ロングセラーブランドならではの「売り方」について、担当者の濱田洋平氏に聞いた。

DATA
商品名:のりたまN.P.
価格:130円(税別)
主な販路:スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストア等
時代の最適解を常に追求する「のりたま」65年の進化と深化
──「のりたま」は、ふりかけ市場の中でも圧倒的な存在感があります。発売はちょうど65年前のことだったのですね。「のりたま」が発売されたのは1960年、まだふりかけが贅沢品とされていた時代です。当時、「のりたま」に使われている「のり」や「卵」といった食材は高価なものでした。そんな高価な素材を家庭の食卓で気軽に楽しんでほしい。そんな思いから生まれたのが「のりたま」です。
その当時主流だった魚粉ベースのふりかけとは異なり、動物性たんぱく質である卵を主役にした「のりたま」は新しい提案として注目を集め、発売当初から反響を得ていたと聞いています。誰でも手軽に栄養あるおいしいごはんを楽しめるよう、“贅沢品を日常食に”という思想が一貫して中心にある商品です。
──緑のパッケージで、常にどこの小売店の店頭でも並んでいる印象です。「変わらない」ところもブランドの強さなのでしょうか。
実は「のりたま」、誕生から65年の間に中身やパッケージのリニューアルを...