店頭サイネージは「記憶の再生装置」として機能させる アサヒビールが挑む、買い場・飲み場からの顧客創造

公開日:2026年11月03日

  • 鳥沢杏子氏(アサヒビール)

生活者を取り巻くメディア環境や消費への価値観の変化に伴い、テレビCMをはじめとするマス広告だけでは「買い続けたくなる理由」をつくり切ることが難しくなっている。こうした課題に対し、アサヒビールは営業部門の傘下に「リテールマーケティング部」を新設。買い場(店頭)や飲み場(飲食店)を起点とした顧客創造へと舵を切った。同社が捉えるリテールメディアの役割やショッパーモードに応じたコミュニケーション、営業一体となった組織改革の狙いについて、同部を率いる鳥沢杏子氏に話を聞いた。

買い続けたくなる理由は買い場・飲み場でつくる

メディアの視聴環境が変化し、テレビを見ない世代が増加する中で、従来のマス広告を中心としたマーケティング手法は転換期を迎えている。

とりわけ、一人ひとりの顧客との関係性を深め、長期的なファンを増やしていくことが重要視されるカテゴリーでは、一度商品を認知してもらうだけでなく、同じ顧客に「何度も買い続けてもらうこと」が成長に直結する。

このような仮説のもと、アサヒビールは2026年4月に「リテールマーケティング部」を新設した。部長を務める鳥沢杏子氏は、立ち上げの背景について次のように語る。

「かつてのようにテレビCMで接点をつくり、一度買ってもらえれば売上が伸びていく時代ではなくなりました。CMを通じてブランドへの好意的な印象を醸成することは今もできると考えていますが、それだけでは『お客さまがその商品を買い続ける理由』までをつ...

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