「中身は買った人だけの秘密です」に手が伸びる

公開日:2026年3月13日

  • 向坂文宏(桜美林大学 芸術文化学群 准教授)

    POP

    中央公論新社/『スミルノ博士の日記』シークレットブック風カバー

少し前、書店で書名や著者名をあえて隠し、紹介文やヒントだけを書いたカバーを掛けて売る手法が話題になった。タイトル買い、著者買いという“先入観”をいったん脇に置き、「中身そのもので選ぶ」状態をつくるためである。

買い物客からは「買い物自体がイベントのようで楽しい」「普段なら手に取らない本と出会えた」といった感想も多かったという。棚の前で立ち止まり、読み、想像する時間をうまく引き出していた手法だ。

表紙が見えない文庫本

その“シークレットブック風”の売り方が、ある復刊ミステリーで見事に活用されていた...

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