広告で認知を高めても、商品が売り場に並び、生活者に選ばれる状態が整っていなければ、売上にはつながらない。では、購買に至るまでのどこで機会を失っているのか。カルビーとキリンビールが、購買データに意識データや店頭状況を掛け合わせながら、“買われる理由”をどう捉え、施策につなげようとしているのかを聞いた。
「認知の“量”」だけでは売上につながらなくなった
──「商品の認知度は高い。それでも、思うように売れない」こうした課題は、最近になって顕在化したものだと思いますか?
吉田:認知はあるのに売れないという問題自体は、以前からマーケティングに存在していた認識です。ただ、同じ「認知」という言葉でも、その中身は変わってきていると感じます。いま重要なのは、どれだけ多くの人に知られたかという“量”だけではなく、どれだけ共感を得たかという“質”です。
話題になったからといって、必ずしも売上につながるわけではありません。例えばタレントを起用する場合も、フォロワー数だけで判断するのではなく、その人が持つファンやコミュニティの雰囲気が、ブランドが実現したいことと合っているかまで考える必要性が高まっていると感じます。
木村:認知の“量”だけでは十分でないのは、私たちも感じるところです。キリンビールのようなビールメーカーは、これまで大規模な広告で認知を広げてきました。以前は、テレビCMを打つことで流通企業...

