生活者インサイトは、明確な不満や要望の中にあるとは限らない。むしろ、「そういうものだから仕方がない」と受け入れられている常識にこそ、新しい商品を生むヒントが隠れている。本記事では、サントリーとミツカンが語った、生活者の潜在的なインサイトの見つけ方と、それを商品価値、売り場へとつなげる方法をひもとく。
「諦め」と「理想」のギャップに生活者インサイトがある?
──「おうちドリンクバー」と「無限さっぱりスパイス™ by 味ぽん®」。どちらも大ヒット商品です。開発の背景を教えてください。
宮内:家庭で飲まれる大容量の炭酸飲料市場は、世帯人数の減少や健康志向などを背景に、長期的に縮小しています。飲み切るまでに炭酸が抜け、最後までおいしく飲めないという経験を持つ方も多いのではないでしょうか。
一方、コロナ禍をきっかけとした健康志向の加速や宅飲みの定着により、炭酸水市場が拡大し、自宅で炭酸水を割材として使う習慣は広がっていました。そこで、完成品を買うことが当たり前だった炭酸飲料に、「自分でつくる」という選択肢を持ち込めないかと企画したのが、「おうちドリンクバー」です。
渡邉:市場の環境認識が起点になっているのですね。「無限さっぱりスパイス by 味ぽん」は、技術的な...

