社会価値創造を通じてサステナブルな世界の実現を追求する資生堂は家具製造の際に発生する端材を使用したパッケージを制作。店舗やSNSなどでブランド全体でサステナビリティへのメッセージを発信した。

「BAUM」シリーズのパッケージ。一番人気の商品は、肌に潤いを与える化粧液「ハイドロ エッセンスローション」(税込6500円、左から2番目)樹木の「貯水」機能とのイメージの合致が購買を支えた。レフィル商品を展開している商品は、木製パーツから取り外して詰め替えが可能だ。
資生堂が6月17日に立ち上げたスキン&マインドケアブランド「BAUM」。「樹木の力」をブランドコンセプトに据えた“サステナブル”なブランドだ。発売から2カ月で想定の2倍以上の売上を達成している。
BAUMでは、年齢・性別を問わず使用できるローション・乳液・クリームなどのスキンケア製品や、ハンドクリーム・ボディ用乳液などのボディケア製品を展開。その成分は、90%以上が自然由来だ。一番の特徴は、木製家具メーカー「カリモク家具」と協業したパッケージデザイン。家具製造の際に出るオークの端材を活用しているため、同社の工場でつくられている。レフィル商品を購入すれば、木製パーツ部分は再利用できる。
共感を通じてコンセプト伝える
本業を通じて社会価値の創造に努めてきた資生堂は、2018年に日本企業として初めて「SPICE(Sustainable Packaging Initiative for CosmEtics:化粧品のための持続可能なパッケージングへの取り組み)」に参加。ヘアケアやスキンケアなどの商品で容器が再利用できるレフィル商品を取り入れ、日本国内約700アイテムを販売するなど、資源の削減や循環に努めてきた。
BAUMは、同社が初めてサステナビリティを軸にして立ち上げた新ブランド。消費活動の一環として、環境への配慮を意識してもらう狙いがある。BAUMグローバルブランドマネージャーの西脇文美氏は、「CSR活動としてではなく、ブランドの中核価値に“サステナビリティ”を据えたという点で、当社の他ブランドとは位置づけが異なります」と話す。
BAUMのコアターゲットには、20代後半から30代半ばの、男女のフルタイムワーカーを設定。価格は、同社のブランドの中では高価格帯の...