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1億総『小売り』ECビジネス

「商品力」に目を向ける EC海外市場への参入や拡大のリスク

  • 小澤良介氏

EC参入のハードルが下がり、国内だけでなく海外市場への参入や拡大を意識する事業者も増加した。しかし、世界規模での技術進歩や市場競争が続き、良品で市場を専有するという日本製品の以前の勝ちパターンが通用しなくなったいま、取り組むべき施策を小澤良介氏が解説する。

世の中はECがないと、もはや機能しなくなったといっても過言ではありません。ECの世界は右肩上がりに伸びており、ここ最近は、国内ECにおける各ジャンルも飽和しつつあり、少しでも多くのシェアを取るべく様々な戦いが繰り広げられています。こうした背景や昨今の円安傾向から、各事業者たちも越境を意識し、次々に海外へと向けたマーケティングを始めています。

海外EC参入のリスク 日本製品のイメージ変化

私は2004年にリグナという家具のECを立ち上げ、2020年に一部上場企業に売却するまでの約17年間、経営に携わりました。在庫をほとんど持たない家具の小売業を、ECでまださほど盛り上がっていなかったその業界でスタートし、いまでいうD2Cのようなオリジナル商品の開発・販売まで行いました。当時、中国もまだ工場機能に特化し、それほど越境直販に力を入れておらず、ある意味タイミングが良かったのかもしれません。

しかし、いまとなっては、日本の商品が中国において「コストパフォーマンスが悪い」「商品がおもしろくない」という理由から不人気になりつつあるという話を中国のマーケッターから聞くこともあります。「日本から世界へ」が強く謳われる世の中にも関わらず、です。まさにこのグローバルマーケットの日本に対する「気付き」が日本における最大の「リスク」といえるのです。

越境を意識し、グローバルマーケティングを実施し、そして、意気揚々とECを立ち上げたり、プラットフォームに出店したところで「日本のコンテンツ」そのものに魅力を感じてもらえないことには、物自体が売れないという負のサイクルに陥ってしまいます。

今回はECにおけるリスクがテーマですが、まさにその根本である「商品力」そのものに目を向け直す必要があるのです。世の中はEC、プラットフォーム、デジタルマーケティングに視点を合わせすぎていて、何よりも肝心な商品力、要するにクリエイティビティに対するリソースの分配が圧倒的に足りていません。

中国に行けば、日本の伝統的商品が、もっと安く、そしてもっと高品質で当たり前に買えてしまうという現実をどれだけの人が知っているのでしょうか。「メイドインジャパン」のキーワードを掲げれば売れるという時代はとっくに過ぎ去っています。それどころか、むしろ...

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1億総『小売り』ECビジネス

日本においても100年以上の歴史を持つ通信販売。この通販にECという販売チャネルが広がり、また各種ECプラットフォームが増加したことで、より多くの事業者が参入しやすい環境が整った。特にコロナ禍では、これまで店舗外での販売に挑戦していなかった飲食、サービス、小売など、様々な業種による新規参入も相次いだ。一方で、ECを難しく考えたり、思うように売上や集客につながらない「EC初心者」の声も多く聞かれる。本特集では、全国各地のあらゆる業種別の事例や識者たちの見解を元に、「初めてのEC事業」を成功に導くヒントを紹介する。

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