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熱狂と感動が商品価値を高める スポーツ×販売促進

静岡のサッカーイノベーション3.0

他分野の企業などと協業し、新たなサービスを模索する「オープンイノベーション」で、スポーツクラブは次のステージへ向かう。

清水エスパルスの本拠地「IAIスタジアム日本平」。2017年度のホーム戦の入場者数は、同比8.5%増の25万6965人となった。
(C)S-PULSE

仮想ベッティングからみかん農家との関係構築まで

サッカーJリーグ1部(J1)清水エスパルスを運営するエスパルス(静岡市)はことし4月、外部企業を中心に新規サービスを募るプロジェクト「SHIMIZU S-PULSE INNOVATION Lab.(清水エスパルス・イノベーション・ラボ)」をスタートした。

同プロジェクトについて、エスパルスの森谷理氏(経営戦略室広報部長)は、「静岡のサッカーイノベーション3.0と位置付けている」と話す。デジタルテクノロジーを活用し、静岡から日本全国、はては海外までファン層を広げ、ビジネスとして成長させたい考え。

応募数は非公表だが、5つある各部門で新たなサービスの開発を行う。採択企業の発表は7月20日。参加する各社は、以降約3カ月間にわたり、5回のワークショップと成果発表会を行う。

参加チームは、地元・静岡のチームが2社、在京チームが3社。また、スポーツビジネス専業のチームは2社。「従来のクラブビジネスの枠にとらわれないユニークなサービスの開発が進んでいくことを期待している」(森谷氏)

たとえば、あらゆる角度からサポーターを育てる案を募集した「サポーター360部門」では、シズオカプロスポーツマネージメント(静岡エスアカデミア・スポーツクラブ)が起案した、「スポーツライフサイクルマネージメント」が選ばれた。

「スポーツライフサイクルマネージメント」はスポーツに打ち込む青少年が最適な休息を取るためのデジタルサービスを検討する。運動した後の栄養補給と休息が、小・中学生など成長過程にある身体の成長に大きな影響を及ぼす点に着目したものだ。「本人、保護者、クラブのコーチそれぞれが正しい休息の取り方を知ることが、クラブや地域の未来を支えることにつながる」(森谷氏)

提案した静岡エスアカデミア・スポーツ自体も、今季からバスケットボールBリーグ3部(B3)に参入したバスケチームを運営する団体だ。

B3リーグは2018年~19年シーズンから「地域リーグ」として統合。プロ・アマ混成リーグだが、上位のB2リーグとの交代戦もある。つまり上位昇格への登竜門だ。「静岡のプロスポーツ球団、双方にもたらす相乗効果に期待している」(森谷氏)

「あの優勝時の熱気を再び」と掲げてプレゼンテーションしたのは、「スタジアムでの観戦体験部門」で選ばれた、在京チームのうちの1社、インターナショナルスポーツマーケティング(ISM)の案「スポーツベッティング」。来場者が、スターティングメンバーや試合でゴールを決める選手などを予想、ポイントを元手に賭けをするサービスを想定する。ポイントは来場時に付与、オッズに応じて還元され、再来場を促す。

勝利こそ最高のプロモーションと言われるように、折々の試合結果に応じて来場者数は左右されてしまう。勝てば盛り上がりはいや増すが、負けがこんでくると観客も離れてしまうのだ。また、対戦カードによっても増減がある。

「スポーツベッティング」の目的について、エスパルスの協業パートナーであるISMサッカー事業部の湯川伸介マネージャーは、「来場者がそのときどきの試合内容や、試合結果以外のことにも興味を持ってもらい、清水エスパルス自体に当事者意識を感じられるようにしたい。成績で来場者数が増減するのではなく、スポーツ観戦そのものの醍醐味を味わえる入り口として、貢献できれば」と意気込む …

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2020年の東京五輪開始まで残り99週、そして、日本各地を会場とするラグビーW杯までは残り55週となりました。スポーツのビッグイベントが目白押しとなります。一度スタジアムを訪れればわかりますが、厳しい世界でしのぎを削るアスリートのプレーは、言葉にはならない高揚感を与えてくれるもの。こうした体験とともに商品やサービスの独自の価値を訴求すれば、商品・サービスの存在感をひときわ高めることができるはずです。

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