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逆風下の販促戦略

格之進、購入者に「オンライン肉会」を配信 ECの売上は2カ月で21倍に

都内を中心に高級焼肉店「格之進」を展開する門崎(岩手県一関市)。新型コロナの影響で飲食店が大打撃を受けるなか、ECでの食材販売や「オンライン肉会」の開催で逆境を切り抜けている。

門崎
代表取締役
千葉祐士(ちば・ますお)氏

1971年岩手県一関市生まれ。1994年東北学院大学卒業後、フィルムメーカーで営業職に従事。1999年に「焼肉屋 五代格之進」を開業。関東を中心に店舗を増やし2008年に門崎を設立。「門崎熟成肉」の卸・加工、飲食店運営サポートも行う。通称「肉おじさん」。

店舗休業でも生産者を救う

──門崎は飲食店・卸売・ECと3つの柱で事業展開をしています。昨今は飲食業界を新型コロナが直撃するなか、ECに力を入れていますね。

当社は約20年前の開業時から「日本の食の未来をクリエイトする」をコンセプトに、食を通じたイノベーションの創出を目指してきました。私の地元でもある岩手県一関市に本社を置き、オリジナルの「門崎熟成肉」や「いわて南牛」というブランド肉を販売してきました。

大切にしているのは、できるだけ生産者に売上を還元すること。積極的なマーケティング活動で肉の価値向上と需要の増加を図っています。

ところが、新型コロナの影響で「生産者への還元」が危ぶまれる事態となりました。当社は4月2日から都内で運営する「格之進」の9店舗を休業することが決まり、牛肉の生産者から仕入れができなくなったからです。牛は生き物なので出荷時期を調整できません。種付けから約40カ月間育ててきた牛の販路が絶たれれば、生産者の大きな損失につながります。

そこで、畜産農家を支援しようと休業当日にECサイトで特設ページ「おうちで格之進」を開設しました。店舗と同じお肉を自宅でも味わっていただこうと、「焼肉セット(1kg)」(税込9801円*)や「薫格 黒毛和牛焼肉セット(1kg)」(税込2万7000円*)などを販売しています。

価格は2020年5月現在

この取り組みが軌道に乗り、当社のECサイト「格之進 オンラインストア」の売上が跳ね上がりました。2020年2月の売上を基準とした場合、3月は6倍、4月は21倍に達しています。

オンライン肉会
「肉おじさん」こと千葉氏などが、自宅のホットプレートでもお肉を美味しく焼く秘訣を伝授。カット肉を重ねながら焼く「プール焼き理論」や塊肉の肉汁が流れ出さないように焼く「水風船理論」などを解説する。


ECサイト
4月2日、ECサイトに特設ページ「おうちで格之進」をオープン。焼肉用の牛肉だけでなく、自社工場で製造したハンバーグも販売する。5月19日現在、注文が殺到した影響で発送まで1カ月以上待ちの状態に。

Facebookで年間数千万売上

──どれも高価格帯の商品ですが、これほど売り伸ばしている理由は。

長年取り組んできたO2O施策が実を結んだのだと思います。

格之進の店舗では、エンタメ性の高い店舗体験を重視してきました...

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新型コロナウイルスの影響により、消費者が自宅で過ごす時間が増えた今。店舗の休業や営業時間短縮などにより、急速な業態の転換が必要とされています。同時に購買決定の現場が自宅内へと移行し、多くの企業がECなどオンラインへ参入するなどチャネル戦略も大きく変わりつつあります。自粛期間が長引くなか、販売促進の現場は今後どうあるべきか。メーカーや外食など有店舗事業者のトップの声から、逆風下における販促戦略について考えていきます。

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