2007年に登場したノーベル製菓の「男梅」は、梅菓子市場において異彩を放つブランドとして成長を遂げてきた。その中心にいるのが、2009年に誕生したブランドキャラクター「男梅蔵」だ。なぜ、「男梅蔵」はブランドを象徴する存在になれたのか。企画背景から活用方針、キャラクター運用における考え方までを、同社のマーケティングセクション佐藤健太氏に聞いた。
ノーベル製菓が販売する梅干し味の菓子シリーズ「男梅」は、一般的な“梅味”とは異なる、唯一無二の商品であることをコンセプトとして掲げている。その特性を直感的に伝えるために生み出されたのが、キャラクター「男梅蔵」だ。2009年、ブランド初のCMに登場し、以降十数年にわたってブランドの顔として活躍を続けてきた。
「男梅」シリーズの誕生は、2007年。“圧倒的な塩味と旨味をもつ梅干し味”をコンセプトとした独自の商品設計で市場に切り込んだが、その強烈な世界観を言葉やパッケージだけで伝えるには限界を感じていたという。
そこで開発されたのがキャラクター「男梅蔵」だ。誕生の背景について、同社のマーケティングセクションブランド戦略・広告を担当する佐藤健太氏は次のように語る。
「『男梅』は、“こだわり抜いた塩味と濃厚な旨味をもつ梅干しの味わい”を軸に設計されている商品です。ビジュアル面でも、あえて強烈でインパクトのあるデザインを採用することで、“これは普通の梅味ではない”という期待感を喚起することを狙いました。こうした世界観を、より立体的かつ直感的に伝える存在として誕生したのが、ブランドキャラクター『男梅蔵』でした」(佐藤氏)。
キャラクター設定を考えた結果、たどり着いたのが「己を磨き続ける存在」というコンセプト。強面でありながらも、どこか親しみやすい要素も備えており、「一心不乱な姿勢」「職人気質」「男気のある」性格...