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人が動く「瞬間」の設計

コラボ商品が飽和する中でも「ビックリマン」が選ばれる理由

  • 本原正明氏(ロッテ)

近年、強力なコラボレーションを生み出し続けている「ビックリマンチョコ」。今年の春からその「ビックリマンチョコ」ブランドだけではなく、新ブランドの立ち上げやキャラクター戦略を菓子・アイスで横断的に推進するチームをリードし、ダイナミックにこれから動こうとしているという本原正明氏に、人を動かすコラボ商品の生み出し方を聞いた。

2020年の売上は昨対比で150%

──「ビックリマンチョコ」の現在の状況について教えてください。

「ビックリマンチョコ」の2020年度の売上は、昨年比で150%と非常に好調です。この勢いもあり、今年度の売上目標は2019年比の300%を目標に設定しており、現在はその目標を上回るペースで伸長しています。

このような状況の背景には、昨年からの社会環境の大きな変化があります。実は、昨年のガム・チョコ・キャンディ・ビスケットカテゴリーの新商品売上ランキングを見ると、上位10商品のうち9商品がキャラクターコラボの商品になっているのです。これほどコラボ商品が上位を占めることは今までありませんでした。

上位7商品が『鬼滅の刃』とのコラボなのは言うまでもありませんが、これほど『鬼滅の刃』をはじめとしたキャラクターコラボ商品全体が好調だったことには理由があります。それは、コロナ禍での外出自粛によって在宅時間が増え、動画配信サービスの利用者が増加し、誰でも簡単にキャラクターコンテンツに接触しやすい状況だったためです。

『鬼滅の刃』のアニメ放映当初は、まだアニメファンの中だけのヒットだったのですが、最初の緊急事態宣言が発令されたタイミングで、今までアニメに興味関心の薄かった層が、話題になり始めた『鬼滅の刃』を視聴するという動きが一気に広がりました。結果、『鬼滅の刃』をはじめとして、キャラクターコンテンツへの興味関心が社会全体で高まったため、手軽に購入できる低関与商材を中心にコラボ商品が売れるという状況になりました。

ただし、コラボ商品の市場が活性化するというのは、メーカー側からするとコラボ商品が飽和し、差別化が難しくなるということです。さらには、同じコンテンツを使う2番煎じになる可能性も高まり、消費者も飽きてしまいます。

話題を呼んだ「鬼滅の刃マンチョコ」

───昨年、様々なコラボ商品があった中でも、『鬼滅の刃』と「ビックリマンチョコ」のコラボは大きな話題を呼んでいました。

当社のマーケティングの根幹には“選ばれるためのマーケティング”というものがあります。コラボ商品が飽和する中であっても、消費者に選ばれる商品になるためにはどうすればよいかを追求しています。『鬼滅の刃』とのコラボ商品「鬼滅の刃マンチョコ」は...

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このコロナ禍の中、「買う」という行為には意味が求められるようになりました。消費者の財布の紐は固くなり、何かにお金を支払うことに対して合理的な理由が求められるようになってきているのです。そういった状況下に役立つ考え方として、商品・サービスを大きく変えずに買う動機をつくり出す「インセンティブ」施策に焦点を当てます。買って体験してもらえれば満足してもらえるが、買ってもらうまでのハードルが高い商品・サービスにおすすめです。ポイント、クーポン、おまけなど、ただ値引きをするだけにならない、リピートまでつなげる人が動く瞬間の設計方法についてまとめていきます。

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