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2024年ショッパーインサイト大予測

あなたはきちんと答えられますか?ショッパーの定義とインサイトの把握方法

  • 守口 剛氏(早稲田大学 商学学術院 教授)

商品が売れる場所「売り場」にいる消費者のことを、どれだけ把握することができているだろうか。なぜいま、メーカー企業がショッパーのインサイトを知る必要があるのか、どのようにして分析を行っていくべきなのか、ショッパーマーケティングの歴史を踏まえて、早稲田大学商学学術院 教授の守口 剛氏が解説する。

ショッパーマーケティングは、2000年代中頃から主として実務界で注目されてきた考え方。P&GのCEOであったアラン・ラフリー氏が“the First Moment of Truth”という用語を導入し、ショッパーが店頭で製品に接した瞬間の重要性を強調し始めたのは2005年のことです。ユニリーバにおいても、ショッパーマーケティングへの活用を意図した「トリップ・マネジメント」という調査手法を開発し、2004年から実施しています。

コカ・コーラも、ショッパーマーケティングにいち早く取り組んできた企業のひとつです。日本とドイツにおいてSBL(Shopper Behavior Landscape)と呼ばれる分析の仕組みを2007年に導入し、2008年にはそれを改良したものを世界共通の仕組みとして展開しました。

このように、2000年代中頃から注目され、その後定着してきたショッパーマーケティングが現在再び注目されている大きな要因のひとつは、リテールメディアの隆盛だと考えられます。

流通企業が提供するアプリ、店頭でのデジタルサイネージなどのリテールメディアは、買い物中または買い物準備中のショッパーに働きかけるものであり、この点が他のメディアにはない大きな特徴と言えます。リテールメディアを効果的に活用するためには、それをショッパーマーケティングのツールのひとつとして位置づけ、訴求ポイントや表現方法を他のツールも含めて有機的に連動させることが重要です。

ショッパーは買い物から得る“便益”で意思決定を行う

マーケターの視点で消費者を捉えると、製品を「使用するユーザー」と「購入するショッパー」という2つの側面があります。その側面の相違は、さらに2つの観点で捉えることができます(図1)。

図1 ユーザーとショッパーの違い

そのうちの1つは、両者が物理的に異なる場合です。例えば家庭の主婦が、子供が食べるおやつや夫が飲むビールを購入するようなケースは、ユーザーとショッパーが物理的に異なる典型的な例だと言えます。近年では、多くの製品領域でパーソナルユース化が進んでおり、そのこともユーザーとショッパーが異なるケースを増加させる要因だと考えられます。

さらに、同じ消費者のなかで、ユーザーとしての側面と...

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2024年ショッパーインサイト大予測

「売り場」での買い物客の行動を、どこまで解像度高く知ることができているでしょうか。売り場には偶然の出会いも多く、事前に「買う」と決めていたはずの商品ではなく、実際は予定とは違うものが買われている場合もあります。まさに、購買の最終的な意思決定の場が売り場であり、その判断を下しているのがショッパーなのです。もちろん売り場の対象は店頭だけではなく、ECにも拡大しており、ショッパーの動きも複雑化しているとも考えられます。そう考えると、商品・サービスを「売る」ためにはまず、売り場で起こっていることや、買い物客を「知る」ことが必要なのではないでしょうか。本特集では、メーカーが十分に捉えきれていない、売り場でのショッパーのインサイトに注目。2024年のショッパーが何を考え、購買の意思決定を行うのか。広告会社や調査会社、メディアの編集長などショッパーインサイト把握のプロが予測します。

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