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2024年ショッパーインサイト大予測

メーカーの営業担当が知らない 店頭でショッパーの「欲しい」をつくる方法

  • 郡司 昇氏(店舗のICT活用研究所)

多くの商品やPOPが立ち並び、さまざまな店頭施策が行われる中、実際に消費者の「欲しい」が生まれる瞬間とはどのような時なのだろうか。計画的な買い物ではなくその場で心惹かれた商品を購入する消費者も多い中、意図的な「衝動買い」やブランドスイッチを起こすノウハウを、店舗のICT活用研究所 代表の郡司 昇氏に聞いた。

消費者が店頭で商品を購入する時、どのような理由でその商品を手に取るのでしょうか。

購買行動には、大きく「計画購買」と「非計画購買」の2つがあります(図1)。「計画購買」とは、入店前に何を買うのかを決めている購買行動のこと。家で使っているA社のマヨネーズを買うため来店し、実際にA社のマヨネーズを買うなど、「入店前の意向」と「購入したもの」が同じであった場合を「計画購買」と言います。

図1 購買行動の種類

一方で「非計画購買」は、A社のマヨネーズを買おうとしていたものの、実際にはB社のマヨネーズを購入したというように、入店前の意図とは違うものを買うことを指します。そもそも買うつもりがなかったものを店頭で見つけて購入する、ビールを買うつもりだけれど銘柄は店頭で決めようという購買行動も「非計画購買」に入ります。

より細かく分類すると「非計画購買」は4つに分けることができます。1つ目は、売り場で気になったものを購買する「純粋衝動購買」。そして2つ目は、日常の必需品を売り場で思い出して購入する「想起衝動購買」です。例えば、売り場で商品を見て「そういえばボディソープがそろそろ切れそう」と思い出して購入することなどが、それにあたります。

スーパーやドラッグストアでは、上記の「純粋衝動購買」「想起衝動購買」に見られるような、“思い出してもらうこと”による購買を狙うために、店内を長距離歩いてもらい、来店の目的となりやすい商品を店の入口と対角線上にレイアウトして、長時間の移動を促すこともあります。

3つ目は「提案受入衝動購買」。店員やPOP、デジタルサイネージ、大量陳列による提案を受け入れて購入することもこれに含みます。

最後に「計画的衝動購買」。これは、「入店前に買うカテゴリーまでは決めているが、品目までは決めていない」などの場合を指します。例えば、「スナック菓子を買うと決めているけど、どれを買うかは店に行ってから決める」「店頭に行ってみて一番安かった洗剤を買う」などのような購買行動です。

このように、来店者が店頭で「欲しい」と思う瞬間は、「非計画購買」の場合に生まれやすいのです。

人は直感で意思決定を行い商品を購入している

現実の買い物では、先述の「非計画購買」で、直感的に購買の意思決定をしているケースが多い...

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2024年ショッパーインサイト大予測

「売り場」での買い物客の行動を、どこまで解像度高く知ることができているでしょうか。売り場には偶然の出会いも多く、事前に「買う」と決めていたはずの商品ではなく、実際は予定とは違うものが買われている場合もあります。まさに、購買の最終的な意思決定の場が売り場であり、その判断を下しているのがショッパーなのです。もちろん売り場の対象は店頭だけではなく、ECにも拡大しており、ショッパーの動きも複雑化しているとも考えられます。そう考えると、商品・サービスを「売る」ためにはまず、売り場で起こっていることや、買い物客を「知る」ことが必要なのではないでしょうか。本特集では、メーカーが十分に捉えきれていない、売り場でのショッパーのインサイトに注目。2024年のショッパーが何を考え、購買の意思決定を行うのか。広告会社や調査会社、メディアの編集長などショッパーインサイト把握のプロが予測します。

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