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売り上げ・ブランドを高める「接客」

「ところで日本の接客、どう思う?」

東京五輪の招致スピーチで滝川クリステル氏が用い、2013年の流行語大賞に選ばれた言葉、「おもてなし」。あれから5年以上経ち、来年には日本の「おもてなし」が本物なのか、答え合わせがされる時がくる。外国での生活を送ったことがある人にとって、実際日本の接客はどう感じられるのか。クリスさんとアランさんに聞いてみた。



──日本の接客について、どのような印象を持っていますか?

クリス:気持ちがいいです。店内に入らなくても、通路に出てきて道順を教えてくれたりとか。ほかの国にはない、独特な文化だと思います。

アラン:自分(店員)よりも、目の前にいる相手を大切にしてくれている印象があります。自分の売り上げよりも、相手をどう助けるか。その場での売り上げよりも、長期的な目で見ているように感じますね。

クリス:ちょっと困るのは、店内でずっとついてくること(笑)

最初は「買わなきゃいけない」というプレッシャーを感じていました。いまは「見ているだけなので」と伝えるようにしています。

アラン:私は大学生のころ、日本の家電量販店で働いていたことがあって。つまり、さっきの話の「ついていく側」でした(笑)

通信機器を担当していたのですが、家電量販店に来て、携帯電話を買う人なんて100人に2人くらい。それでも売る必要があるので、お客さんに声をかけてました。けれど、考えてみれば電器屋さんに入って、見知らぬインド人に「どの会社の携帯を使っていますか?」と話しかけられたら、ものすごく驚きますよね。

クリス:たしかに(笑)

アラン:当時はなかなかうまくいかず、ほかの店員を観察していました。すると、まず売るのではなくて、お客さんをきちんと観察して、困ったようすを見せたら、声をかけるようにしていたんです。来店客の信頼を得て、「Comfortable(心地いい)」状態になってもらうことが大切なのだと気づきました。現職では、自分のクライエントの現在の状況や悩みなどを聞いて、まず「Comfortable」な状態をつくり、そこから営業につなげることを心がけています。

クリス:「Comfortable」な状態にしてあげるのは、大切だよね。


──インドとアメリカではどうですか?

アラン:インドにも「Atithidevo bhava(アディディデボ ババ)」という、「お客さまは神さま」を意味する言葉があって、寒い日にお店に行くと、頼まなくてもチャイを出してくれたりします。

でも、接客スタイルでは少し日本とは違う。日本ではプライバシーを大切にする印象があるけど、インドでは「家族のメンバーは?」と尋ねたり、逆に入り込むイメージ。「プライベートに入り込む権利を持っている」という認識があるのだと思います。

そういえば先日、父が初めて日本に来て。所属する会社の先輩にも会わせたのですが、「結婚していますか?」って聞いてしまったんです。先輩も驚いていて、あとから、あわてて説明した、ということがありました。

クリス:アメリカの場合は、相手のケアよりも自分(店員)が先、という文化を感じますね。アメリカにいたころ、ハンバーガーショップに行ったら、とても態度の悪いお客さんがいて。そのお客さんに向かって、レジの人が、「そんな失礼な態度なら、帰りなさい」と一蹴した、ということがありました。日常茶飯事というわけではないけど、目の当たりにしても不思議のない光景。

アラン:うん。まさに「あってもおかしくない」ですね。

クリス:よく旅行をするのですが、イタリアに行ったときに驚いたことがありました。カフェで注文したコーヒーが、待っても待っても、全然出てこない。しばらくして「まだ?」と確認してみたら「あれ?コーヒー頼んでたの?じゃあ作るよ」みたいな態度(笑)さすがに「Too relaxed(のんびりしすぎ)」でした。

アラン:インドでも、お店で欲しいものがあったら、自分から店員を探さなきゃいけない、ということはよくあります。もちろん、業態によってさまざまですが …

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私たちが、商品やサービスを売ったり、買い物をしたりするとき、そこで交換されているのは、モノとお金だけではない。来店者は買い物のプロセスにまつわる良い体験を受け取り、販売側はブランド資産をより強くする。そうした、見えない価値と見えない通貨のやりとりもあるのではないか。「接客」は、どのような価値を顧客に提供できるのか。マーケティング視点での再考にはじまり、一線で活躍する店頭スタッフ、外国人対応、動画、テクノロジ─「接客」にまつわる、さまざまなトピックから、売り上げとブランド向上のヒントを探る。

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