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売り上げ・ブランドを高める「接客」

「店員と顧客」を超えた「友人」のような関係性づくり

  • 横山 奈都記氏(LUSH 新宿駅前店)

スキンケアブランド「LUSH(ラッシュ)」の通常店舗では、来店者にヒアリングをし、求める商品を提案する「コンサルテーション」を行っている。これ自体は多くのコスメブランドが行っているが、LUSHが目指すのは、「店員と顧客」の関係を超えた、友人のような関係性づくりだ。

LUSH 新宿駅前店
横山 奈都記(よこやま・なつき)氏

2015年11月新宿駅前店に入社。現在、副店長兼スタッフのトレーナーとして店舗のマネジメントを行う。

    関係性づくりのポイント

    ➊ 適切なご案内と「コンサルテーション」で信頼される関係性を構築

    ➋ 肌タイプは3種だけじゃない 原材料が持つ効果から提案

    ➌ サンプルは必要な来店者にだけ 環境保全とリピーター創出の役割

売り上げ重視から、関係性重視へ 理想は「友人」

「LUSH(ラッシュ)」は、英国発の化粧品ブランドだ。ラッシュジャパンとして営業を開始したのは1999年のこと。売り上げのピークは2013年で、その後翌14年ごろに頭打ちとなってしまった。当時行った消費者調査の結果、こんなことが判明した。

「そのころの『LUSH』には、『店員さんの押しが強い』といった、ネガティブな印象を持たれていたことがわかったんです」(ラッシュジャパンのPRマネージャー、小山大作氏)

小山氏は当時、そのように思われていた理由を、こう推測する。

「当時は個人の売り上げ成績を、そのまま給与に反映していたため、スタッフの意識が、売ることにばかり向いていたのではないでしょうか」

こうした分析を経て、ラッシュジャパンが試みたのは、短期的な売上至上主義から、長期的な顧客との関係性を志向する方針への転換だった。

「商品は、ブランド全体を構成する要素のひとつでしかありません。『LUSH』が持つ多様な側面をお客さまに知っていただければ、長期的な関係を構築できるのではないかと考えました」(小山氏)

関係の構築のために、重視するのが「コンサルテーション」だ。店内に設けたカウンターで、来店者が抱える肌の悩みを聞く。その際には、顧客自身が認識する悩みだけでなく、職場環境など、ライフスタイルに関係することも聞くようにしている。

新宿駅前店の横山奈都記氏は、「そこから会話が広がり、かなりプライベートな話をしてくださるお客さまも。知り合いでないからこそ、話せることもあるのではないでしょうか。『スタッフとお客さま』でなく、友人同士のような信頼される関係性をつくことが理想です」と話す。

「入店後即、目当ての商品棚に向かう方は急いでいるため、ご案内はひかえる」「店内をひと通り巡ったあと、特定の商品棚に戻った場合はご案内する」など、店内の顧客の動きをよく観察し、ニーズを把握する。決して商品を売ることに重きを置かないよう、心がけているという。

原材料をもとに商品を提案 生活習慣の多様性ふまえ

ライフスタイルを聞くのには、顧客との関係を構築するほかに、もうひとつ、理由がある …

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私たちが、商品やサービスを売ったり、買い物をしたりするとき、そこで交換されているのは、モノとお金だけではない。来店者は買い物のプロセスにまつわる良い体験を受け取り、販売側はブランド資産をより強くする。そうした、見えない価値と見えない通貨のやりとりもあるのではないか。「接客」は、どのような価値を顧客に提供できるのか。マーケティング視点での再考にはじまり、一線で活躍する店頭スタッフ、外国人対応、動画、テクノロジ─「接客」にまつわる、さまざまなトピックから、売り上げとブランド向上のヒントを探る。

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