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現代消費者の「値ごろ感」を捉える

潜在的な関心があった「ぬか床」 専門店が入口からリピートまでを設計

巣ごもりによって、さらに注目され始めている「ぬか床」。無添加漬物処の菜香や(なかや)に、ぬか床の市場、消費者の動き、販促活動について話を聞いた。

菜香や 代表取締役 遠藤記生(えんどう・のりお)氏
茨城県筑西市(旧下館市)在住。幼少時代はパソコンが好きな少年で、自分でプログラミングをしてソフトをつくるほど。高校卒業後、IT関係の仕事に従事していたが、母親の漬ける漬物が地元で評判だったことがきっかけで、1999年に有限会社菜香やを創業。座右の銘は、「生涯挑戦」。現在の趣味はDIYとロードバイク。

女性人気が高いぬか床

──どういった事業を行っているのでしょうか。

漬物、ぬか床などの販売を行っています。1999年7月に母親と立ち上げ、創業21年になります。創業当初から添加物を入れずに、おふくろの味、手づくりの味を大事にしてきました。余った野菜を農家にわけてもらい、そのお返しとして漬物をお渡ししていて、それが美味しいと評判になり事業が始まりました。

そこで、もっと美味しいぬか漬けをつくることができないか研究していたところ、原料にこだわるしかないということに行き着きました。一般的にぬか床は、原料の品種や産地、栽培方法がまったく分からないことに気づき、地元でとれるお米の品種である「ミルキークイーン」を表に出して、ぬか床を販売することにしました。

──ぬか床がいま好調のようですね。

もともとの発酵食品ブームがあり、コロナ禍の巣ごもりでより勢いが増しました。私たちもメディアで紹介していただくことがたびたびあります。料理研究家の人が、「ぬか床ごと食べられるぬか漬け」と表現してくれて、それくらい安全だということが売りになっています。

現在は百貨店での販売も多いのですが、最初に持ち込みをした際には百貨店のバイヤーの方に怒られました。「ぬか漬けなんて臭いのキツイものは販売できない」と。私たちのぬか漬けは精米したての新鮮なぬかだけを使用するため酸化せず、臭いがしません。そのため後日サンプルを送ったところ、先方も驚いて、商品をお取り扱いいただけることになりました。それくらい既存のぬか漬けとは差別化ができているのです。

お米を買うときは「魚沼産」や「新米」「有機栽培」といった基準で選びますが、ぬか漬け、ぬか床を選ぶ際にはそういった基準がなかった。品種にこだわることで、お米の持つ甘さが引き立ち、美味しいぬか漬けになるんです。

入口からリピートまでを構築

──販売戦略についてお伺いできますでしょうか。

先ほどお話しした百貨店は、販売の入口です。そこからオンライン販売へとつなげています。

百貨店でぬか漬け、ぬか床を購入していただき接点が生まれ、継続して漬けるために「足しぬか」を当社のECで購入いただく。ぬか床が売れることによって、よいサイクルができているのです。

そのため接点である百貨店では、若い人にも興味をもってもらうために、アボカドや、ラ・フランス、マッシュルーム、たまごなど、漬けるもののバラエティを増やしています。そこで今まで買ったことがない若い人にも購入してもらえればと。

またサイトに誘導するまでの手法も工夫しています...

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