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POP活用

商品の短所を長所に 衝動買いさせるPOP制作術

「遊べる本屋」を掲げるヴィレッジヴァンガードでは、書籍や雑貨、CD・DVD類をあえて雑多に陳列し、販売している。個性的な店内のあちこちに並ぶ黄色いPOPはどれもエッジが効いていて、伝説的なヒットエピソードもあるという。ユニークなPOP作りに定評のある下北沢店の長谷川朗次長に、その発想法を聞いた。

POPはスタッフの代弁者 直接話しかけるように書く

──ヴィレッジヴァンガードさんが作るPOPはユニークなものが多く話題にもなりますが、そもそもPOPの役割をどのように捉えていますか。

自分の代わりにお客さまに話しかける存在ですね。ヴィレッジヴァンガードは、お客さまに積極的に話しかけるようなお店ではないですし、実はスタッフも人見知りが多いんです。でも商品に対する愛情は誰よりも強い。

「自分はあまりしゃべれないけど商品の魅力は伝えたいから、代わりにPOPに接客してもらおう」という発想で、POPがスタッフの代弁者として接客する役割を担っています。

──POPはどのように作っていますか。

その商品に興味を持ちそうな人を想像して、その人に直接話しかけるように書いています。自分のなかでは「ヴィレッジヴァンガードのPOPは笑えるもののほうがお客さまに喜んでもらえる」と思っていて、見た人の心をくすぐるような言葉を探していますね。ただ、ウケを狙って書くとうまくいきません。

僕が入社してすぐのころに書いたPOPはひねりすぎて、意図が伝わらなかったり、むしろつまらないものになったりと散々でした。初めて作ったPOPなんて、次の日には店長に破かれて捨てられてしまって(笑)。

そうやって何度も失敗しながら書き続けていたら、ある時から直感的にその商品について思ったことを書くようになったんです。そうすることで、自然と伝わりやすい言葉になり、「ストレートに書いたほうが伝わるんだ」と実感しました。

──POPをつける商品とつけない商品があると思うのですが、どんな商品にPOPをつけるんですか。

それは、大きく分けて2種類あって、売れる商品と売りたい商品にPOPをつけています。基本的には売れる商品にPOPをつけて、さらに売れ行きを加速させます。たとえば、全店舗でヒットしている動物のクッションは、幅広いお客さまに売れる商品なので、お客さま視点で「なんて言えば魅力が伝わるか」を徹底的に考えています。

触り心地がよく、見た目もかわいいので、商品の魅力をそのまま伝えようと思い、「ふわ!もちっ!むに!」という触感をダイレクトに伝えたり、「想像して、家帰ったらコイツがいる生活。」とイメージさせたりして、直球勝負のPOPを作りました。

売り場で触って「気持ちいいね」で終わらないように、家のソファーやベッドに置いてあるようすを具体的に想像してもらい、「ああ、確かに必要かも」と思わせる一言を書きたかったんです。POPの効果もあり、このクッションは全店で売れ続けているロングセラー商品になっています。

また、スタッフ自身がファンであるような商品には、積極的にPOPを書いてもらっています。一個人の感想に過ぎないコメントでも熱意があるとなぜか伝わるもので、一部のコアな人に届きやすいんです。新人でも自由に書いていますね。

徹底したお客さま視点で書かれた直球勝負のPOP。触感をダイレクトに表現している。

マイナス要因もPOPの発想でプラス要因に転換できる

──では長谷川次長がPOPを書きたくなるのはどんな商品でしょうか。

思わずつっこみたくなるような個性的な商品ですね。通常の商品だとなかなかキャッチーな言葉が出てきませんが、変わった商品だと目の付け所次第で「なるほどね」と思わせることができます。そうやって驚きと共感を生み出すことは楽しくもあります。

下北沢店のメイン客層は大学生や20歳代の社会人です。当店には、景品やプレゼントなどの用途で面白い商品を探しに立ち寄る方が多いので、変わった商品が売れる傾向があります。そうは言っても、尖った商品をただ置いておくだけでは売れません。

当社の会長がよくスタッフに話すエピソードがあります。まだヴィレッジヴァンガードの知名度が低かった時代は仕入れの融通が利かず、とんでもなくマズいジュースを仕入れたことがあったそうです …

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