インフルエンサー起用は企業に大きな効果をもたらす一方、安易な運用は逆効果を招く。その一つが「インフルエンサーの特別待遇」だ。企業やブランドのPRにおける、インフルエンサー特別待遇のリスクについて、ワンメディア代表取締役CEO/動画プロデューサーの明石ガクト氏が指摘する。
私が2014年に創業したワンメディアは、長年YouTuberやTikTokerの皆さまとコラボレーションし、企業のマーケティングを支援してきました。
インフルエンサーマーケティングという領域は、まさに会社のビジネスの根幹部分です。
インフルエンサーコラボはSNSによって監視されている
私自身、その現場を長年見てきましたが、今ほどインフルエンサーへの特別待遇が引き起こすヘイトや炎上について、考えなければならないタイミングはありません。それほどまでに、人と人とのコミュニケーションの手段における、SNSの重要性が増しています。
2025年7月に、私は自身のXで「新しいテーマパークにインフルエンサーを秘密裏に先行招待するようなPRは、生活者から不満を呼びやすい」と指摘しました。あれは僕自身が業界の内側から見てきた経験に基づく意見でしたが、多くの人からの共感や意見を呼びこみ、この問題が社会全体の関心事になっているのだと実感しました。
2025年7月、明石ガクト氏が投稿したポスト
昨今、SNSの透明度が高まっています。それにより、インフルエンサーを秘密裏に先行入場させるような特別待遇は、すぐに生活者にバレて炎上してしまいます。これは、私の投稿でも触れたように、インフルエンサーの特別待遇に、「これってズルい」「不公平じゃないか」と感じさせる構造があるからです。
ではそもそもなぜ、インフルエンサーの「特別待遇」において、そのような構造が生まれてしまうのでしょうか。企業側と生活者側の両面から考えていこうと思います。
効率性を求める企業と平等を求める生活者
まず、企業のPR側がインフルエンサーを特別待遇する理由から考えてみましょう。まず企業は、インフルエンサーを起用することで、商品やイベントの魅力を効率的に拡散したいと考えています。
そのためには、インフルエンサー自身に、その企画に対して熱量を持ってもらうことが重要です。インフルエンサー自身が共感していない、納得していない企業案件が、効果を生むことは少ないためです。生活者も、すぐにそれを見抜くようになってきています。
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