手書きの仕様書や原画、実際のゲームデータから新たに制作した立体展示、キャラクターを自ら動かせる参加型コンテンツ──。全国を巡回する「大カプコン展」が目指したのは、ゲームの完成形を見せるだけでなく、その裏側にあるクリエイターの創意工夫まで体験として伝えることだった。ファンの「一度やってみたかった」を叶え、作品世界への没入を生むために、カプコンはゲームの世界観をどのようにリアルな空間へ翻訳したのか。
カプコン
CS制作統括
プロダクション部
牧野泰之氏
ゲーム制作のこだわりを空間でこそ伝えられる体験へ
2025年3月、大阪中之島美術館を皮切りに全国6会場を巡回している「大カプコン展」。『ストリートファイター』『バイオハザード』『モンスターハンター』などを生み出してきたカプコンの、ものづくりの裏側に光を当てる展覧会だ。
企画を担当したカプコンの牧野泰之氏は、企業や作品の歴史を並べるだけの展示を目指したわけではないと振り返る。
「“プロジェクトX”のカプコン版のような。カプコンのゲーム制作のこだわりを映画のように見せ、それを空間に立ち上げたらどうなるか。そんな発想から始まりました。ただ映像で説明するだけならテレビ番組でよいかもしれません。でもわざわざ来場してもらう以上、空間でしか伝えられない体...
