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越境クリエイターの働き方

全員が複数の肩書きを持つ 多国籍クリエイティブカンパニー

東京 馬喰町に拠点を持ち、クライアントワークから自社事業、R&Dまで形にとらわれず活動する「Konel(コネル)」。従来のエージェンシーやプロダクションの枠組みを越え、所属するスタッフもフリーランスと会社員を自由に行き来しながら働いている。

Konelのメンバー。20〜30代前半を中心に、海外からインターンの学生なども参加する。一番右が出村光世さん、左から4番目が荻野靖洋さん、左から3番目が李浚植さん。

フリーランスと企業それぞれのメリットを生かす

Konelは、日本、アメリカ、韓国、ドイツ、アルゼンチン、インド、ベトナム、インドネシアと、8カ国のスタッフが在籍するクリエイティブカンパニー。所属するスタッフの大半がフリーランスや他企業との兼業など複数の名刺を持つという特色がある。業務内容は自社でのプロダクト開発、広告制作などのクライアントワーク、そして昨年からはシェアオフィス・貸会議室の「馬喰町FACTORY」を運営するなど、まさに多種多様だ。

代表取締役の出村光世さん自身も、東急エージェンシーTOTBのプロデューサーとしての顔を持っている。Konelの創業は2011年。それ以前、出村さんはアクセンチュアで働いていた。大規模な官公庁関係の案件などを手がける日々だったが、“左脳一辺倒”の仕事を毎日続けるうちに、真逆のことをやりたいと思い立ち、大学時代に一緒にバンドを組んでいたWebエンジニアの荻野靖洋さん(現 Konel 取締役)にWeb制作の仕事を一緒にやろうと声をかけ、設立したのがKonelだ。

創業後初めて手がけたのは、個人経営のハンバーガーショップのWebサイトだった。「前職とは違って、手触りのある仕事がとにかく楽しくて、クリエイティブの領域でよりダイナミックな仕事をしていこうと思いました。ただ経験も人脈もない突発的な起業なので、高みを目指すには先が長いぞ、と気がついて(笑)」(出村さん)。

会社を続けるためには案件の規模を大きくしていかないと厳しいと実感し、出村さんはクリエイティブの現場の商流を知るために東急エージェンシーに就職し、荻野さんはフリーランスでエンジニアの仕事をしながら、Konelとのダブルワークを始めた。

5年ほどその状態を続け、「Konelにいよいよ集中しよう」と本格的に仲間を集めはじめたのは約2年前。その頃、新たな出会いにも恵まれた。現在Konelで制作統括ディレクターをしているアートディレクターの李浚植さんには仕事を通じて出会い、Konelを手伝ってほしいと声をかけた。

既に自身でデザイン事務所を経営するなど経験豊富な李さんは、Konelで制作統括をしながら、経営面のアドバイスを行っている。さらに若手フリーランスの小泉智美さん(ディレクター/エンジニア)、中島敏順さん(デザイナー/エンジニア)も加わり、この時期がKonelの第2創業期となった。全員がフリーランスや会社員を続けながら、Konelの名刺を持って活動している。

その理由について荻野さんは、「フリーランスは動きやすくお客さんの顔が見えるなどいい点もありますがその反面、1人でできる仕事の幅が限定的になりやすく、ハイリスクな案件を受託する難易度が高いんです。ただ、案件のチャンスはたくさん舞い込みます。Konelに持ち込むことで、技術・リソース・リーガル・ファイナンスなどさまざまな面が補われ、安心して請け負うことができます。制作スタッフにとっては、プロデューサー陣がフロントに立ってくれることで、制作に集中できるのもありがたい。またフリーランスは家から出なくても仕事ができてしまうため、新しい情報や人との出会いが限定されがちですが、Konelでは勉強会や研修、自社プロダクトの展示会出品などを積極的に行うため、成長の面でメリットは大きいんです」と話す。

個人で完結できる仕事はフリーランスで、協業が必要な仕事はKonelでと、個々の裁量でバランスを取っている …

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「人生100年時代」と言われる中で、いくつになっても学び直し、新しいことにチャレンジしようという機運が高まっている。広告界に目を向ければ、身を置く場所を変えながら新しいスキルを獲得したり、異分野の経験を新たな分野に持ち込んで挑戦を続けるクリエイターの活躍が目立つ。同時に、クリエイティブ組織のあり方も変わってきた。エージェンシーやプロダクションといった従来の役割や形式にとらわれず、多様性あるメンバーが集まり、新しい役割で柔軟にクライアントをサポートしようとする会社や組織が増えている。本特集では、職種、業種の壁から国や人種まで、さまざまな境目を軽やかに超えながら活躍の場を広げる個人や組織にスポットを当て、多様な形の“越境”スタイルを紹介していく。

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