システムリニューアルに伴いログインIDのパスワードを再設定ください。

システムリニューアルに伴いログインIDのパスワードを再設定ください。

長く愛されるキャラクターの作り方

福島県の活動と伴走して成長する「ベコ太郎」

福島県会津地方の郷土玩具として知られる張り子の牛「赤べこ」をモチーフとしたキャラクター「ベコ太郎」が登場したのは、2017年。県内外で配布された福島県の情報誌「ふくしままっぷ」の誌面でのことである。情報誌のナビゲーター的な存在として生まれた「ベコ太郎」が、県と企業をつなぐ存在として注目されている。

赤ベコをモチーフにしたベコ太郎。

福島県と多くの人の間をつなぐ存在

福島県広報課が制作した「ふくしままっぷ」は、A1サイズの一枚紙を八つ折りにした冊子。福島県の基礎情報のほか、同県が取り組む11のプロジェクトについて、さらには県内外の人々の福島県に対する思いなどが記されている。そのナビゲーターとして登場したのが、ベコ太郎だ。「そもそもはキャラクターを依頼されたわけではありませんでした」と話すのは、ベコ太郎の作者であるアートディレクター 寄藤文平さん。

「福島県のクリエイティブディレクターを務める箭内道彦さんが、福島の情報をきちんと届けるための媒体を作るにあたり、僕がよく作っていた八つ折りの冊子に注目してくださって、そのスタイルで福島のことを伝えたいという話がありました。とはいえ、伝えたい情報量は多岐にわたりますし、紙面を整理していく中で、ポイントを指し示したり、内容を集約して伝えてくれるナビゲーターが必要になったんです」。

広告やアニメーションでさまざまなキャラクターを制作してきた寄藤さんだが、「ベコ太郎」はこれまでにない立ち位置のキャラクターになっているという。「通常はキャラクターが前面に立っていくものですが、『ふくしままっぷ』においてベコ太郎は主役ではありません。主役はあくまでも福島県です。ベコ太郎は福島県を代表する人でもなければ、第三者でもなくて、読者の立場に近いけれど、公の立場でもあるという、中間的な存在として位置しています。そういう立ち位置が見えてきことで、いろいろな情報が伝えやすくなりました」。

当初は県内やアンテナショップ、県内外の福島県関連のイベントで配布していた「ふくしままっぷ」だが、徐々に増刷を重ね、設置場所も広がった。その一つが、東京・新宿にあるビームス ジャパンである …

この記事の続きを読むには定期購読にご登録ください

月額

1,000

円で約

3,000

記事が読み放題!

この記事をシェア

この記事が含まれる特集

長く愛されるキャラクターの作り方

かつて企業にとってキャラクターは、主にパッケージや販促プロモーションにおいて活用され、それらは「動かず」「話さず」アイキャッチとして大きな役割を果たしていました。近年は企業のSNSの活用と共に、キャラクターは従来の役割を超えて企業のメッセンジャーとなり、企業と生活者をつなぐ存在としても大きくなってきています。企業を取り巻く環境やメディアが変わる中で、広告などのコミュニケーションにおいて、今キャラクターはどのような役割を果たしているのでしょうか。

今号では、人気キャラクターたちがどのようなプロセスで生まれ、なぜ長きにわたり愛されているのかを探ると同時に、従来のキャラクターとは異なる活用方法や展開、そしてデジタルの進化と共に生まれた新たなキャラクターまでを取材。見た目も人格も運用方法も多様なキャラクターたちの生みの親に話を聞きました。

記事一覧

MEET US ON