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企業の資産を活かす 事業デザインのための「共創」プロセス

先進技術と世の中をつなぐ「ライフ視点」のアプローチ

まだ知られていない新たなテクノロジーや商品を世の中で必要とされるビジネスに昇華するために、クリエイターはどんなアプローチができるだろう。ダイバーシティ&ヘルスケア領域で研究開発と事業化に取り組むピクシーダストテクノロジーズは、アンファーや塩野義製薬と共に2種のプロダクトを発売。Droga5とAccentureがブランディングや事業創造に携わっている。

「プロダクト視点」から「ライフ視点」へ

ピクシーダストテクノロジーズ(以下、PxDT)は、筑波大学の准教授 落合陽一さんが2017年に設立したベンチャー企業だ。主に「ダイバーシティ&ヘルスケア領域」と「ワークスペース&DX領域」での研究開発と、その事業化に取り組んでいる。

2022年11月には、アンファーと共に開発した超音波スカルプケアデバイスの「SonoRepro」が発売に。23年4月には塩野義製薬と共に開発した「ガンマ波変調技術」を搭載したスピーカー「kikippa」が発売された。Droga5は、「SonoRepro」ではマーケティングやコミュニケーションを考える段階から、「kikippa」ではそのひとつ手前の体験デザインを考える段階から、ビジネスやブランドづくりをサポートしている。

「共通して実施したのは、技術や商品先行型の『プロダクト視点』のビジネスやブランディングを、世の中のより多面的な課題感をすくいあげ、人々にとってなくてはならない存在となる『ライフ視点』に進化させたことです」とDroga5 Tokyoグループクリエイティブディレクター 杉山元規さん。

それぞれどんな視点の転換がなされたのか。アンファーとの協業で生まれた超音波で頭皮に新次元のシナジーをもたらす家庭用スカルプケアデバイス「SonoRepro」は、決して安くない商品だ。しかもスカルプケア市場には、シャンプーや発毛剤といった商品やAGAクリニックなど多様な競合がひしめき合っている。

「既存のスカルプケア市場の商品やサービスが発するメッセージや世界観を見渡したときに、男性向けの“恐怖訴求”か“励まし”が大半を占めていることに気付きました。そこで『SonoRepro』ではそんな男性中心のコンプレックス市場を脱却するために、女性も含む多様な人々の多様な嗜好に目を向けることで、ターゲット層を拡張することにしたんです」(杉山さん)。

「男性を中心とした頭髪の悩みを解決したい人々」から、「男女問わず健やかな頭髪とともに日々のウェルネスを高めたい人々」へとターゲットを広げて再設定した。そこからテレビCMやWebなどのクリエイティブを制作し、美容への意識が高い層や女性も含め顧客に想定したPR施策を展開。

新規トライアルを増やすための商品のレンタルスキームの開発、中長期戦略づくりを進めていった。「Droga5のクリエイティビティとAccentureのケイパビリティが両輪となることで、通常分断されがちなテレビCMやWebなどのキャンペーンと、運用型デジタルアドや店舗などの販売チャネルの開拓といったパフォ-マンスマーケティングを連携させています。ターゲットの特性に基づいて制作したクリエイティブを購買の場まで一貫させることで、より効果的なアプローチができたと...

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企業の資産を活かす 事業デザインのための「共創」プロセス

企業や団体が新たに取り組む事業やプロジェクトにクリエイターが参画する際、一体どのような役割が求められているのか。一方的な提案ではなく、事業主とクリエイターが良きパートナーとして傾聴と対話を重ね「共創」を進めていくスタイルが広がっている今。2025年開催の大阪・関西万博でも、デザイン視点で「共創」に取り組み、未来社会の在り方を探る動きが見られるなど、注目度が高まっています。また、AIなどテクノロジーを用いた共創の手段も広がってきました。今回は実際にローンチされた事業やプロジェクトの実例について、提案書類や実現に向けてのプロセスがわかる資料を紐解きながら、これらのポイントを探っていきます。

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