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ブランドの物語を紡ぐクリエイターの思考とプロセス

商品の本質的な価値を落とし込んだ「普通」の日々

「明治 エッセル スーパーカップ」が6月16日に公開したWeb動画「日々」シリーズ。描かれているのは学生の「普通」の日常。なぜあえて、何も起きないストーリーを描いたのか。

6月16日に公開されたWeb動画「日々」シリーズの「屋上」篇。

さらなるコンセプトの浸透のために

「明治 エッセル スーパーカップ」が、「ふつうって、スーパー最高。」というコンセプトを打ち出したのは昨年夏のこと。

「ファン層の若返りのために若年層へのアプローチを強化したいとお話をいただきました。そこで『スーパーカップ』の魅力を改めて考えたのですが、『おいしい』『大きい』というのはもう十分知られているし、商品自体に特別感がないなぁと素直に思って。でも逆に言えば、誰の日常にも普通にそこにあることが他に無い価値なのだと気付いたんです。特にコロナ下では、『普通』の尊さは、若年層と分かち合えるコンセプトだと考えました」と、企画を手がけたnavyのコピーライター 片岡良子さんは当時を振り返る。

昨年はSNSと連動して映像の投稿を募集し、アーティストのMVに出演できるキャンペーンを実施したが、今回は改めて「ふつうって、スーパー最高。」というコンセプトを若年層に浸透させるための企画を実施することに。そのため若年層との親和性が高く、長めの尺でブランドの世界観を表現しやすいWeb動画を用いるのが適切だと考えた。

「普通」を描き切る

制作した「日々」シリーズは、「屋上」篇、「チャリ置き場」篇、「居残り」篇など、高校生の日常を切り取った7篇からなる。全編通じて流れている楽曲『くだらないまま』は、高校を卒業したばかりのロックバンド「リュックと添い寝ごはん」が手がけた。「動画を見た人に“青春もの”の広告だと言われないことが大事だった」と話すのは、ディレクター 岩崎裕介さんだ。

「企画を見たときに、この動画が『スーパーカップ』の商品広告である必然性を感じました。たしかに学生の頃、日常のなかにそれとなくあったなと。だからこそ広告でよく描かれているようなキラキラとした“青春”ではなく、学生の普通を誇張せず描き切るのが今回求められていることだと思って。ごく普通の学生生活を過ごした多くの人たちが、これは自分の話だと思えるようなものにする、というのを意識していました」。

そのために片岡さんと岩崎さんは企画からブラッシュアップしていった。「最初の案はカーテンでわぁっとふざけたり、もう少しポップなものでした。でももっとフラットに、素朴にした方が商品の本質的な価値と近いと思い、修正していったんです。僕は小中高男子校と偏屈な環境で育ったので共感性のあるシチュエーションを考えるのは大変でしたが、内なる高校生を降ろして頑張りました」(岩崎さん)。

たとえば「溜まり場」篇では、4人の女子高校生が運動場の隅の階段で、たわいもない会話をする様子が描かれている。「あちらには~スーパーカップルがいまそかり~~」「『週刊ウチら』の1面にしてやろ」「およし。『週刊ウチら』はね、青春禁制なのさ」。そんな学生ならではの言葉遣いを盛り込んだのも工夫した点だ。

「女子高校生のクローズドなコミュニティって固有の言語があるじゃないですか。それを盛り込むことで、この動画が始まる前も後もこの子たちはきっとどこかに存在していて、わちゃわちゃしているんだろうなと感じてもらえるかなと。実は学生の言葉を学ぶために、池袋のマクドナルドで張り込みをしてみたりしました(笑)。聞いていると、予想以上に固有の若者言葉が使われていたんですが、その...

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物語の力によって人々にメッセージを広く伝える、ストーリーテリングの手法。オンライン動画をはじめ尺の自由度が高まり、SNS など媒体の選択肢が広がったことで広告発のコンテンツにおいても物語を紡ぐ力が求められている状況といえるでしょう。今回は、ストーリーを基軸とした映像やデジタルクリエイティブの事例のほか、これらを生み出してきたクリエイターにフォーカス。映画やドラマや小説とも異なる、広告という場だからこそ機能するストーリーの生み出す思考とプロセスに迫ります。

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