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クリエイターと未来の顧客を共創 事業開発の進め方

「なんかやろう。」から広がったクラフトビールブランド

京都府福知山市を拠点に、クラフトビールの製造販売を手がけるCraftBank。同社は今年3月、クラフトビールブランド「CRAFT BANK」を立ち上げた。事業がスタートする以前からサン・アドのチームが併走し、事業名やブランド設計、クラウドファンディングのディレクションなどを行ってきた。

「CRAFT BANK」の第1弾として発表した6種のフレーバー。

プロジェクトのスローガン。

「なんか」がプロジェクトを体現

CraftBankは福知山市出身の羽星大地さん(CEO)と、2015年に同市に移住してきた庄田健助さん(CFO)によるスタートアップ企業だ。羽星さんは日本IBMに入社した後、2020年にUターン。翌年にCraftBankを立ち上げた。一方、庄田さんはシンクタンクで福知山市の商店街のリノベーションを手がけたのを機に、同市へ移住。地域再生事業を手がけてきた。この2人に、東京と福知山市で2拠点生活をしていたサン・アドの公庄仁さんが出会ったところから話は始まった。

「最初は庄田さんから、『クラフトビールブランドを立ち上げるから、ネーミングを考えるのを手伝ってくれませんか?』とゆるい相談が。話を聞いていくと、すごく面白くて。全国的に反響を得られるようなものにして地域に還元していくべきだと思ったので、当社のデザイナー 中山(智裕)を推薦し、さらにスタートアップ企業のブランディングの経験もある荒木(拓也)をビジネスプロデューサー兼プランナーとしてアサイン。20年末に大枠の座組みが決まりました」(公庄さん)。

福知山市には中心部に旧福知山信用金庫の跡地のビルがあり、その再利用が課題となっていた。当初からビールの醸造所としてこの跡地を利用することを考えていた2人。「そこにブリューパブやコワーキングオフィスなどを併設し、クリエイティブな人材が集まり地元を盛り上げていけるような場所にしたくて」(庄田さん)。話し合う中でまず、その拠点の独自性を元にクラフトビールと“bank(銀行)”をかけ合わせた企業名兼ブランド名が決まった。

その後、羽星さんと庄田さんは理想のビールづくりの技術を学ぶために、宮崎県延岡市の「宮崎ひでじビール」に2カ月間の修業へ。並行して2021年2月に、サン・アドから事業・ブランディングのアイデアを提案する(#01)。公庄さんはその段階で、プロジェクトのスローガン「ビール片手に、なんかやろう。」を掲げた。

「サン・アドではよく、最初の拠り所として言葉を掲げます。これまでお2人から口頭で聞いてきた想いを一言で表しました。あえて『なんかやろう。』とゆるい言葉にしたのは、クラフトビールらしいカジュアルさやこのチームらしい人間らしさが欲しかったから。言葉はブランドのキャラクターだけでなく、プロジェクトの雰囲気をつくる側面もあると思うので」と公庄さん。

荒木さんもプロデューサーの視点から「情緒的で耐久性のある言葉が生まれた」と感じたという。「通常の広告の仕事では、具体的なことが決まってからお声がけいただくことが多く、そうなるとコピーもどうしても狭い言葉になりがち。今回は思いを言葉にする最初の段階から携われたので、さまざまな人を巻き込んでいける言葉が生まれたのかなと。『なんかやろう。』という...

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